まちおこしや地域活性化、地方創生といった取り組みのなかで「観光」要素はその地域のオリジナリティあふれる部分で、特徴としても押し出しやすい点です。
そのため、観光できる場所などはその地域を活性化させる大きな可能性を秘めています。なによりも、観光地などはその場所に訪れる人がいるなら、その観光先に付随するお店も出店され、そこで雇用を生み出すといったことも考えられます。
この記事では、観光地をランク付けなどをしている「観光資源」について紹介します。
観光資源とは
観光資源とは、観光活動の対象となるものを日本交通公社では「観光資源」と呼んでおり、誘引する厳選となりえるもののうち、観光活動の対象として認識されているものを指します。
観光資源は大きく分けると2種類にわかれています。
自然資源
- 山岳
- 高原・湿原・原野
- 湖沼
- 河川・峡谷
- 滝
- 海岸・岬
- 岩石・洞窟
- 動物
- 植物
- 自然現象
人文資源
- 史跡
- 神社・寺院・教会
- 城跡・城郭・宮殿
- 集落・街
- 郷土景観
- 庭園・公園
- 建造物
- 年中行事(祭り、伝統行事)
- 動植物園・水族館
- 博物館・美術館
- テーマ公園・テーマ施設
- 温泉
- 食
- 芸能・スポーツ
そして、これらの自然資源と人文資源のなかには、「特A級資源」「A級資源」とランク付けされているものもあります。それぞれ主な例は以下です。
特A級資源
日本を代表する観光資源で、国内外に対して日本のイメージの軸になる資源。
例)
- 青森のねぶた・ねぷた(年中常時)
- 草津温泉(温泉)
- 出雲大社(神社・寺院・教会)
- 屋久島の森(植物)
- 平和祈念公園(史跡)
A級資源
特A級に準ずる観光資源で、特A級資源と同様に日本のアイデンティティを示す資源。
- 五稜郭(城跡・城郭・宮殿)
- 盛岡市のわんこそば(食)
- 鉄道博物館(博物館・美術館)
- 鳴門の渦潮(自然現象)
- 出水のツル(動物)
注目を集める観光業界
昨今の日本では円安が進んでいる影響で、国内に住む人の旅行先は海外よりも国内旅行にシフトする傾向が増えているそうです。そして、円の価値が安くなっていることで、海外からの観光客が増えています。
インバウンド旅行者向けの店舗を出したり、翻訳機能を充実させたりと、さまざまな対応を進めていると聞きます。
地方創生やまちづくりにおける“関係人口”の増加は、国内の異なる地域に住む人にファンになってもらうかを考えやすいのですが、視線を世界に広げることであらたな需要を生み出せる可能性があります。
観光資源がないときはどうすればいいのか
観光資源はすべての市区町村にあるとは限りません。観光資源が何かしらある土地、思いついた土地であれば、たとえばSNSなどを活用して情報を発信したり、その資源に関係する催しを開催したりと、集客手段、もっと言えば地域を活性化する施策は思い浮かびやすいです。
ただ、考えるべきは観光資源がない土地です。おそらくこういった土地のほうが圧倒的に大多数なのです。そもそも論としては、観光資源がなければ観光資源に頼らない施策を打つというのが鉄板ではあります。たとえば、生活インフラを整えて、生活しやすい街という打ち出し方はストレートでわかりやすいPR方法のひとつです。
そのほかでは、これから観光資源になりうる要素を生み出すという考え方も起こると思います。日本交通公社による観光資源の定義にあるように、自然や寺社仏閣などの歴史的建造物だけでなく、食事やスポーツなどさまざまなものが観光資源の対象になります。
とくに、食事に関しては地産地消といった地方創生でも頻繁に取り上げられる要素と組み合わせやすいので、郷土料理であったり地域住民に親しまれているものを観光用にアレンジ(例:〇〇ラーメン、のように名称など)するなどでも、観光資源を生み出せるのではないでしょうか。
ただ、大事なのは観光資源を作るかどうか、観光資源があるかないかの話ではなく、どうすれば地域を活性化させられるかです。観光資源はあくまでも「手段」「方法」であり、目的ではない点はご注意ください。