電子部品の大手ディストリビューターであるファーネル(Farnell Japan)は4月21日、建物のスマート化やIoT化が進む中で、次世代インフラを支える各種電子部品・ソリューションの提供を強化していることを発表した。HVACやセキュリティ、環境制御などに対応する部品群を通じ、エンジニアがよりスマートで応答性の高い空間設計を実現できるよう支援する。
「壁の向こうの頭脳」として機能するスマートコンポーネント
ファーネルは、Amphenol、アナログ・デバイセズ、Arduino、エマソン、NI、村田製作所、ルネサス、Raspberry Pi、TE Connectivityなど、先進メーカーによる製品を一元的に取り扱う。
なかでも注目されるのが、火災安全やエネルギー効率化、セキュリティ監視などを実現するための「壁の背後の頭脳」として機能するスマートコンポーネント群だ。
- アナログ・デバイセズ社のADPD188BI(煙検出用光モジュール)やADIN2111(2ポートイーサネットスイッチ)
- Raspberry Pi 5などのAI搭載小型コンピュータ
- Arduino NiclaやPortentaシリーズなど、エッジ処理や機械学習向けの産業用センサーデバイス
こうした製品を活用することで、設計者は建物自体に「考える力」を持たせることが可能となる。
インフラ設計に不可欠な多様な接続技術も網羅
さらに、TE CONNECTIVITY製の高速M8/M12ハイブリッドコネクタや、DINレール対応のNI製計測機器など、スマートインフラに不可欠な接続性や設置性にも配慮した製品ラインアップを展開している。
プロダクトマーケティング担当のアンドレア・テオドレスク氏は、「スマートビルディングの開発を加速させるために、イノベーションを現実にするツールを提供することが我々の使命だ」と語っている。
建物の省エネ化と環境制御が可能に
今後は、建物におけるエネルギー最適化、火災リスクの早期検知、リアルタイムな使用状況のモニタリングといったスマート化により、環境負荷を低減しながら快適性を高める設計が主流になると見込まれている。
ファーネルは、こうしたニーズに対応する「スマートインフラの背後の頭脳」として、設計現場を支える技術・製品の拡充を進めていく。