高知県本山町と土佐町で、高齢者の健康維持と社会的孤立解消を目指すオンライン介護デイサービス「noiz」の実証実験がスタートしました。本プロジェクトは、合同会社さわもと、株式会社TENTO、株式会社ソフトビレッジの3社が協力し、高齢者にも使いやすい新しいオンラインコミュニケーションシステムを開発し、地域の高齢者支援に取り組むものです。
背景:オンラインデイサービスの課題と革新
合同会社さわもとは2023年1月に「デイサービス長老大学オンライン支店」を開設し、オンラインデイサービスの提供を開始しました。しかし、既存のテレビ会議システムでは高齢者が操作に困難を感じることが多く、ご家族のサポートが必須となるなどの課題が発生していました。
この課題を解決するため、2023年11月に開催された高知OIP(オープンイノベーションプラットフォーム)において、合同会社さわもとはこの問題を提起。その結果、2024年1月にIT企業の株式会社ソフトビレッジと株式会社TENTOが協力し、新たなオンライン介護デイサービスの開発に着手しました。
実証実験の概要
本プロジェクトでは、株式会社TENTOが開発したオンラインコミュニケーションツール「noiz」に高齢者向けの機能を追加。さらに、株式会社ソフトビレッジが開発した専用タブレット端末アプリと組み合わせることで、高齢者でも簡単に利用できるシステムが実現しました。
実証実験は2025年1月27日から2月28日までの期間、本山町と土佐町の高齢者約10名にご協力いただき実施されます。合同会社さわもとは、実験期間中のオンラインデイサービスのプログラムを提供し、効果を検証します。
期待される効果
このオンライン介護デイサービスにより、以下のような効果が期待されています。
1. 高齢者の健康維持・増進
オンライン上での定期的な運動プログラムの実施により、身体機能の維持・向上を促進。
2. 社会的孤立の防止
オンライン交流を通じて、高齢者が他者とつながりを持ち、社会参加の機会を増やす。
3. 地域とのつながりの維持
遠方に住む家族や地域コミュニティとのコミュニケーションを容易にし、地域との結びつきを強化。
今後の展開
今回の実証実験の結果を踏まえ、より多くの高齢者が安心して利用できるシステムを構築し、サービスの本格導入を検討していく予定です。
この取り組みが成功すれば、他地域への展開や、さらなるICT技術の活用による介護サービスの革新が期待されます。高知県本山町と土佐町から始まる新たなオンライン介護の取り組みに、今後も注目が集まりそうです。