企業のSDGs対応 7割超が取り組み実施も「効果の可視化」が課題に

企業のSDGs対応 7割超が取り組み実施も「効果の可視化」が課題に
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製造業や建設業など環境負荷の大きい業種におけるサステナビリティ対応の現状と課題が明らかになった。NSSスマートコンサルティング株式会社(東京都新宿区)は、4月22日のアースデイにあわせて、製造・インフラ業を対象とした「環境活動・SDGsへの取り組み」に関する調査結果を発表した。

調査は、製造業・建設業・運送業・廃棄物処理業の経営層や環境部門の担当者計1,008人を対象に実施された。

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環境対応の実施率は7割超、企業価値・法対応が主な動機

調査結果によると、「積極的に取り組んでいる(32.8%)」「取り組んでいる(39.6%)」と回答した企業が合計72.4%に達し、多くの企業が環境活動に着手していることがわかった。一方で、SDGs未対応のリスクとしては「企業のブランド価値の低下」(47.8%)「法規制への対応の遅れ」(42.8%)などが挙げられ、環境対策はもはや経営戦略の一部であるという認識が強まっている。

中小企業に高いハードル、課題は「費用対効果の不透明さ」

「今後も取り組む予定がない」とした企業では、「費用対効果が不明」「取り組むメリットが見えない」「自社の規模では難しい」といった理由が多く、中小企業の実行ハードルの高さが顕著となった。

最も取り組まれているのは「廃棄物の削減」 業種別でも共通

実施中または今後予定している施策としては、「CO₂排出削減(46.6%)」「廃棄物削減・リサイクル(45.7%)」「再生可能エネルギーの導入(36.9%)」が上位となった。業種別に見ても、廃棄物の削減は共通の優先課題となっており、物理的資源を扱う産業特性が影響していると見られる。

効果測定は9割以上が「難しい」と回答 定性的評価が中心に

取り組みの評価方法については「社員の声などの定性的評価(54.8%)」と「CO₂排出量などの定量的評価(53.6%)」が並んだが、実に92%が「効果測定が難しい」と感じており、今後は評価指標の整備や事例共有が課題となっている。

認証取得も進むが、未取得企業も2割超 支援体制の充実がカギ

「ISO14001」や「グリーン経営認証制度」など、認証制度の取得企業も一定数存在し、認証によって環境対応を“見える化”する動きが広がっている。一方で、「未取得(21.9%)」とする企業も依然として多く、導入支援の強化が求められる。

今後求められるのは「実行できる仕組み」と「可視化の工夫」

本調査では、製造・インフラ業界における環境対応が広がる一方で、取り組みの“深さ”や“継続性”には課題が残る実態が浮き彫りとなった。中小企業にとっては、外部支援やノウハウ提供など、実行可能性の高い仕組みづくりが鍵となる。

調査を実施したNSSスマートコンサルティングでは、企業の環境マネジメント体制構築を支援する「ISOプロ」サービスを展開。ISO14001をはじめとする環境関連認証の取得・運用サポートを通じ、企業の持続可能な経営体制づくりを支援している。

企業のSDGs対応 7割超が取り組み実施も「効果の可視化」が課題に

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