群馬県みなかみ町とスターバックス コーヒー ジャパン株式会社は、2025年4月21日、「利根川源流から始める豊かな森林と人を育む連携協定」を締結した。水源地として知られるみなかみ町と、流域に多くの店舗を展開するスターバックスが連携し、地域の森林資源を活かした持続可能なまちづくりに取り組む。
目次
荒廃する里山に再び光を
日本の森林の多くは手入れ不足により荒廃が進み、光や雨が届かず下草が育たないなど、生態系や防災機能に悪影響を及ぼしている。今回の協定では、地域住民が主体となる自伐型林業などによる森林整備を推進し、その中で得られる間伐材をスターバックス店舗の建材として活用する。
小さな木も“見える木材”として活用
今回の取り組みでは、建築物に適さない小径木なども内装材として活用することで、間伐材の用途拡大を目指す。さらに、木材の産地や伐採者を明示する「顔の見える木材活用」にも挑戦。店舗を訪れることで「この木はどの森から来たのか」を知り、森林とのつながりを感じる仕組みづくりを進めていく。
CO₂吸収にも貢献する新しい店舗モデル
林野庁のツールを用いた試算によると、間伐材を活用した1店舗あたりのCO₂吸収量は約45トンを見込む。今後、数年以内に第1号店の開業を目指し、新店舗建設と森林整備を一体化したサステナブルなモデルの実現を目指す。
地域資源を活かし、森と都市、住民と利用者をつなぐ新たな循環のかたちが、利根川の源流から始まろうとしている。