VxTech株式会社は10月23日、山梨県事業「やまなしアクセラレーションプログラム」に採択されたことを発表した。同社は子どもたちを未然に守ることを目的としたAI防犯アプリ「SASENAI(サセナイ)」を開発している。
山梨県のアクセラプログラムは、県内でのスタートアップ企業の創出から拡大、そして定着を促進し、県全体のイノベーションを推進することを目的としている。参加するスタートアップには約4ヶ月にわたり、専門家によるメンタリングを中心にした伴走支援や山梨県内企業とのマッチング支援等、スタートアップの成長を加速化させる伴走型アクセラレーションプログラムだ。
AIが適切な防犯アクションを瞬時かつ同時に実施
現在、日本では小学生の登下校中に地域の目が行き届かない「見守りの空白地帯」での事件・事故が問題となっている。政府や自治体、地域住民が一丸となって対策に乗り出しているものの、見守りボランティアの高齢化や人手不足によって満足な対応が取れていない地域は少なくない。とくに過疎化が進む地域においては、子どもの見守りが社会課題になっているという。
VxTechのSASENAI（サセナイ）は、AIが危険を察知し犯罪を「させない」防犯機能と、刑事プロセスで被害者に2次被害を「させない」証拠作成機能が特長の防犯アプリだ。
一般的な防犯グッズは子ども自身に危険を判断させるのに対し、SASENAIはスマートフォンまたは専用デバイスから取得する音声、映像、GPSデータから独自のアルゴリズムで危険性と緊急度をスコアリングする。状況に応じて保護者へ連絡、ブザー音を鳴らす、警察へ通報など適切な防犯アクションを瞬時かつ同時に実施することが最大のポイントだ。
さらに、状況報告をSASENAIが作成し保護者へ通知。保護者はボタンひとつで自治体や警察へ報告が可能になり暗数減少、地域治安の向上を実現するという。
同サービスは、東京都主催「TOKYO STARTUP GATEWAY 2023」で最優秀賞、SHIBUYA QWS主催「QWS STARTUP AWARD #2」で最優秀賞などさまざまな賞の受賞やプログラム等に採択されている。
「犯罪を未然に防ぐ社会づくりに貢献していきたい」
VxTech株式会社代表取締役 小野衣子氏は「やまなしアクセラレーションプログラム」に採択されたことについて次のようにコメントした。
「当社が『やまなしアクセラレーションプログラム』に採択されたことを大変光栄に思います。資源が限られた我々のようなスタートアップにとって、知見や経験豊富なメンター、専門家によるご指導の機会に加え、山梨県内の企業様との連携や実証実験の機会をいただけることは非常に貴重です。
この機会を最大限に活かし、地域に根差した次世代の防犯システムとして『SASENAI』の開発と精度向上をさらに加速させ、山梨県から日本全国、そして世界に向けて犯罪を未然に防ぐ社会づくりに貢献していきたいと思います」
