住民の防災意識を養う 横浜市や藤沢市の中学生向けに取り組む地域密着防災プロジェクト

株式会社ペガサス
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「大震災が襲ったとき、あなたは自分の命を自分で守れますか?」

自然災害の多い日本だからこそ、日頃から防災への意識を高めていく必要がある。

いざという時に備えて、避難訓練は幼いときからやってきた。「おかしも(おはしも)」はいまでも覚えている。押さない、駆けない(走らない)、しゃべらない、戻らない。ただ、ワードは覚えているものの防災意識がしっかり根付いているのかと言われるとなんとも微妙なところだ。

「自然災害がいつ発生しても、不安や恐怖に屈することなく、被害を最小限に抑える強固な社会を作り出す」をビジョンに掲げる株式会社ペガサスは、社会や街に対して防災意識の改革に寄与するために“地域に密着した”防災プロジェクトを進めている。

株式会社ペガサス公式ウェブサイト
目次

中学生向けの教材 知ることに興味をもたせる仕掛け

ペガサスは、LEDライトの製造や防災工作キットの製造、防災教室の運営など、防災に関する領域において幅広く手掛けている。同社の取り組みのひとつにあるのが「防災プロジェクト」の運営だ。

主に若年層を対象とした防災意識の向上に尽力し、地域防災における「防災力」「減災力」の向上を目的としたプロジェクトを提案・運営している。2022年度からは横浜市と、2024年度からは藤沢市と組んだプロジェクトが進行中だ。

本稿冒頭の文言は、横浜市とのプロジェクトに関する特設サイトから引用したものだ。非常にストレートな問いかけであるが、とても“刺さる”文面である。

横浜市らとのプロジェクトの目的は、いざという時に自らの命を守るため、中学生がわかりやすく楽しく防災を学んでもらうことだ。そして、若年層に防災についての知識や意識を積み重ねて、10年、20年後の市内における自助共助を向上させていく。

横浜市との取り組みでは、横浜市危機管理室・横浜市消防局が監修した教材を、横浜市教育委員会を通じて市内の全市立中学校に配布している。ペガサスが手がける教材は、単純に防災に関する啓蒙活動用の教材ではない、という点が大きな注目ポイントだ。

まず、紙媒体としての教材「防災ガイド」。襲ってくる災害に特化した内容で、3章から構成されており各章を各学年で使用することで3年間使用できる。GIGAスクール構想で活用できるように、ページの各所にQRコードを配置して読み取ることで関連動画を視聴可能にしている。表紙はみなとみらいの風景が描かれており、教材は横浜市が監修を手がけた。

そして授業内でのストリーミング配信(動画視聴)の教材として、防災アニメーションが用意されている。いわゆる「あぁ、授業で使うためのアニメだな」というものではなく、しっかりアニメになっている。

そのほかに、自分の住んでいる家の災害リスクを調べられる「防災MAP」、自分で組み立てられるお手軽な「備蓄ボックス」、乾電池を使用せず、わずか2ccの水のみで点灯し約3日間連続で使用できる「防災ライト」が配布される。

地域の企業や団体の協賛によって成り立っている

また、ペガサスの取り組みのなかで興味深いのは、プロジェクトにはとてつもなく数多くの地域に根付いた企業や団体が協賛していることだ。

横浜市とのプロジェクトの協賛企業・団体一覧をまずは見てほしい。

協賛企業・団体一覧

医療や建築、不動産、物流、メディア、金融、スポーツ、小売り、製造、士業など、非常にたくさんの業種業界の企業・団体が協賛している。

単に協賛企業として名を連ねるだけでなく、配布する防災ガイドやアニメにて紹介されたりするプランも用意されている。

これは横浜市とのプロジェクトだけでなく、2024年度からスタートした藤沢市とも同様の形式だ。いずれも、地域に根付いた企業とともに、地域の社会を強固にするメッセージが込められている。

もし、本稿の読者の中にそれぞれの市に根付いている、もしくはゆかりのある企業や団体の方がいれば、それぞれのサイトにアクセスし、各種情報を深くチェックしてほしい。

防災で重要なのは手段と方法

防災に関する啓もう活動は、いざというときに備えて「いかに主体的に取り組ませるか」が重要だ。要するに、興味をもって「知る」「学ぶ」機会を提供できるかが問われる。ペガサスはこうしたポイントを、手段・方法・見せ方で解決している。

ちなみに、本稿で紹介しているのは主に横浜市との取り組み例ではあるが、藤沢市とも同様のプロジェクトを展開している。ちなみに、藤沢市の学校に配布している防災ガイドの表紙は江ノ島だ。

すでにほかの地区・地域とも話を進めていると伺っているものの、このようなプロジェクトが全国さまざまな自治体で広まっていくと、若年層から防災意識がどんどん高まっていくことは間違いない。

新たな技術や手段でまちをつくるのも重要ではあるが、こうした“いざ”という時の備えができているかどうかは、将来の日本を支えるうえで外せない項目だ。

株式会社ペガサス公式ウェブサイト

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シクチョーソンでは、デジタル庁 河野太郎大臣の講演をはじめ、「自治体・公共Week2024」で実施された各種セミナーや出展ブースのレポートなどを公開中。気になる取り組み、参考にしたいサービスなどを紹介しているのであわせてチェックしてください。

自治体・公共Week2024 レポート記事一覧

展示会概要
展示会名自治体・公共Week2024
会期:2024年6月26日(水)~2024年6月28日(金)
会場:東京ビッグサイト 西展示棟
※本展は業界関係者のための商談展です。一般の方はご入場できません。

株式会社ペガサス

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