福島県磐梯町は10月29日に「ネイチャーポジティブ宣言」を発表した。ネイチャーポジティブ宣言とは、生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せることを意味する。生物多様性とは、生きものたちの豊かな個性とつながりのことであり、以下の3つのレベルでの多様性を指すという。
- 生態系の多様性
- 種の多様性
- 遺伝子の多様性
ネイチャーポジティブ宣言の発表にともない、同町では、以下の取り組みを進めていく。
- 地域資源の確認・認識
磐梯山、水、森林などの地域資源を確認し、その価値を認識する - 地域の真の価値を見極める
将来世代に向けて残したいもの、残すべき町の宝を見極める - 具体的な取組・方策を決定
残すべき地域資源のために町のみんなができることを考え、具体的な取組・方策を決定する。
ネイチャーポジティブ宣言を発表した磐梯町は「新たな取り組みというよりは、これまでの取り組みを捉えなおし、結びなおすことが大切です。これは磐梯町が取り組む『しあわせの再デザインプロジェクト』ともリンクする部分があります。トレードオフではなく、シナジーな取り組みを目指し、みんなで考え、官民共創でともに悩み、行動することが重要です。磐梯町は、生物多様性の損失を止め、逆転させることを目指していきます」と述べている。
すでにネイチャーポジティブ宣言を発表している団体はいくつもあり、自治体では埼玉県所沢市、愛知県名古屋市、栃木県那須塩原市、北海道栗山町など。企業なども宣言している事業者が増えている現状だ。
ゼロカーボンシティ宣言など、環境に関する取り組みを公式に発表する団体が増え、さまざまな取り組みが進められている。日本全体で自分たちができることから環境に向き合う姿勢が大きなトレンドだ。