農作業時の中腰姿勢負担を軽減 山形県最上町がアシストスーツを導入

マッスルスーツSoft-Power
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株式会社イノフィスは7月11日、山形県最上町の黒沢地区に、腰の負担を35%軽減するというアシストスーツ40台を納品したことを発表した。

同地区で生産されるアスパラガスは400トンを超え、ニラもおよそ176トン出荷している。アシストスーツの導入によって、農作業における身体的負担を軽減することが狙いだ。

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製造や物流、介護現場などでも使われている

マッスルスーツSoft-Power

最上町に納品したアシストスーツ「マッスルスーツSoft-Power®(ソフトパワー)」は、イノフィス社のマッスルスーツシリーズで培った人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポータータイプでは同社比最強クラスの補助力を実現。先の記載のとおり、腰の負担を35%も軽減(同社の実証実験による)する点が最大の特長だ。メーカー希望小売価格は5万9,400円。

農作業現場での活用はもちろんのこと、製造や物流倉庫での持ち上げや持ち運び、介護現場などでも効果を発揮するという。

営農を維持するためにも「負担軽減」が必須だった

農業従事者減少による担い手不足は深刻だ。

農業の倒産は2年連続で「最多」を更新しており、基幹的農業従事者数人口は2005年時点では224.1万人いたのに対し、2023年の推概数値では116.4万人まで減少している。およそ半分だ。

農業における課題は担い手不足だけではない。今回アシストスーツの導入に至った山形県では、中山間地域(山間地やその周りの地域、そのほか地理的条件が悪く、農業をするのに不利な地域)という課題を抱える。同県における耕地面積や総農家数の約6割を占めているという。

急傾斜かつ長大で、草刈り機をはじめとする大型機械が入れない場所も存在している。そのため、人の手で収穫を続ける農家が多く存在しているそうだ。営農を維持するためにも、身体的負担を軽減する目的で、アシストスーツのような製品の導入が急務としていた。

生産者の方からは「中腰姿勢が楽になって助かっている」の声

本プレスリリースには、山形県最上町黒沢集落協定からコメントが記載されていたので、そのまま転記する。

山形県最上町黒沢地区は、ニラ、アスパラガスの生産が盛んなエリアです。農業機械導入にかかるコストの高騰や農業用施設の損害(水路など)、農作業に起因する腰の怪我などで営農を断念する方もおり、産地維持の取組が急務です。これまでは中山間地域等直接支払交付金事業を活用して農業機械などを導入し生産者に貸出し、経営面で営農支援を行ってきましたが、今年度からは、生産者の身体的負荷軽減の取組を進めることを決め、アシストスーツ導入を進めました。中腰姿勢の負担を軽減できるしっかりとした補助力はもちろんのこと、連続作業や軽トラック、農業機械に乗ることも想定し、装着した状態で運転ができる利便性や動きやすさ、着脱のしやすさも重視して「マッスルスーツ Soft-Power®」を導入することといたしました。

他製品と比べ電力不使用で価格面での導入ハードルも低く、使用している生産者の方からは「中腰姿勢が楽になって助かっている」、「腰の負担軽減を実感できる」といった好評の声が出ています。作業中の腰の負担軽減を実感してもらい、怪我が原因で営農を断念する方を減らし、営農継続の一助に繋がることを期待しています。

※農業⽣産条件の不利な中⼭間地域等において、集落等を単位に、農⽤地を維持・管理していくための取決め(協定)を締結し、それにしたがって農業⽣産活動等を⾏う場合に、⾯積に応じて⼀定額を交付する補助事業

マッスルスーツSoft-Power

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