株式会社HESTA大倉は11月21日、米キャンターフィッツジェラルド・グループとプロジェクトの資金調達面に関する検討を開始したことを明かした。これは、同社が取り組む「紀翔タウン」プロジェクトにおける、国内外の金融機関および海外機関投資家に投資機会を提供する役割を担ってもらうことを目的としたものだ。
HESTA大倉が紀翔タウンプロジェクトは、和歌山県橋本市の同社所有地約15万㎡を活用し、宿泊・商業施設を中心とした開発をするというもの。年間140万人近くの観光客が訪れる日本仏教の聖地・高野山に近接する立地を生かし、和の趣を満喫できるリゾート・レジャー施設を整備する計画だ。
インバウンド客の需要が見込め、生活圏としてもポテンシャルを秘める
橋本市は「高野山」に向かう宿場町として栄えた歴史があり、現在は大阪市内への良好な交通アクセスを生かしてベッドタウンとして発展している。「紀翔タウン」予定地も南海高野線橋本駅から1㎞ほどにあり、京奈和自動車道の橋本インターチェンジに近接。空の玄関口である関西国際空港にも車でおよそ1時間だ。
同市は、京都や奈良、大阪といった各観光エリアと主要交通拠点の「中間地点」としてインバウンド客の需要が見込めるほか、生活圏としても豊かなポテンシャルを秘めている地域。紀翔タウンでは、宿泊施設のほか大型商業施設、レジャー施設も開業し、観光客だけでなく地域住民の憩いの場になることもイメージしているそうだ。さらに、同社にはヘリポートも整備し、防災・減災対策の中核拠点としても位置づける構想もあるという。
経済的にも、災害にも強い街を目指す
HESTA大倉は、住まいのAI×IoTを推進することで、安心・安全・快適な暮らしを提案している企業だ。実際に橋本市では、「紀翔タウン」からほど近くにニュータウン「ガーデンタウンさつき台」を開発し、現在約350戸のHESTA(スマート)ホームを提供している。
また、超軽量で湾曲した場所にも施工可能なフレキシブルソーラーパネルと蓄電池も提供し、高騰する電気代の抑制と災害などによる停電時の非常用電源の確保も提案しているという。同社は「こうした技術をトータルでご提案し、橋本市を『インバウンドで潤い、災害にも強い、自然と歴史に恵まれた街」として、さらなる発展に寄与したい」とプレスリリースで述べられている。