株式会社OTERAが関東を中心としたお寺と連携し、地域の高齢者の終活をサポートするサービス「お寺で終活」を提供開始した。
「お寺で終活」は、地域に根ざすお寺を起点とした終活サービス。全国のお寺は、無料提携するだけで、終活の専門家と連携して「無料終活相談を受ける」「終活サポートできる」といった体制を整えられる。檀信徒の終活サポートはもちろん、無縁仏や孤独死の社会課題の解決を目指し、「ひとり暮らしの高齢者や身寄りのない高齢者」を中心とした地域の高齢者向けに終活サポートする地域社会インフラサービスだ。
適切な供養がされないまま無縁仏として埋葬されるケースが急増
近年、少子高齢化や核家族化により、一人暮らしの高齢者や身寄りのない高齢者の数が年々増加している。厚生労働省の統計調査によれば、2023年時点で日本の65歳以上の高齢者のうち、ひとり暮らしをしている割合は約28.7%。数にすると900万人を超えている。
これにともない、親族や知人に見守られることなく亡くなり、適切な供養がされないまま「無縁仏」として埋葬されるケースも急増している。大阪市では11人に1人が無縁仏として扱われているデータもあるという。
お寺業界も厳しい状況だ。PRESIDENT Onlineが2019年に公開した「4割が年収300万円以下」お寺経営の厳しい現実では、全国に1万の寺を擁する浄土真宗本願寺派の全寺院のうち43%が年収300万円以下と述べられている。
同社のプレスリリースでは「生活様式の変化、核家族化の進行などにより、従来の檀信徒制度では寺社の護持運営は成立しなくなりつつあり、今後の寺院消滅は避けられない現状がある」とも言われている。
こうした背景を受け、OTERA社は「お寺で終活」サービスの提供に至った。
孤独死や無縁仏になるリスクを軽減
お寺で終活でできることは主に以下の3点だ。
- 無料終活相談
- 永代供養墓や死後事務委任契約の手配
- 継続的なサポート
また、サービスの特徴は4つあるという。
- 高齢者の終活促進
お寺を起点とし、いつでも終活の無料個別相談を受けることができる環境を地域に提供し、終活の普及に貢献。 - 孤独死/無縁仏を防ぐ
お寺が持つコミュニティや後見制度を活用することで、孤独死や無縁仏になるリスクを軽減し、高齢者の孤立を防ぐインフラを提供。 - サポート体制
高齢者の多様なニーズに対応するため、終活カウンセラーや死後事務委任・お墓・生前整理など各分野の専門家がチームを組み、総合的に支援。 - 地域密着型の支援
全国の寺院と連携し、高齢者が身近な場所でサポートを受けられるようにすることで、孤立を防ぎながら地域全体で見守る仕組みを構築。
お寺で終活では、関東を中心に提携寺院を募集中だ。プレスリリースでは「少しでもお檀家さん・檀信徒の皆さんの役に立ちたい、地域の役に立ちたいというお寺の方はお気軽にご連絡ください」と呼び掛けている。