「想像以上にスムーズ」川崎市・福田市長が自動運転バスを体験 

川崎市
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首都圏でも自動運転バスの実証運行が始まった。

川崎市は1月27日、自動運転バスの実証運行開始を記念し、出発式を開催した。この取り組みは、全国初の都県またがりルートや先進技術を活用した新たな公共交通モデルの創出を目指すものだ。出発式では自動運転バスに川崎市の市長・福田氏も試乗し「想像以上にスムーズだった」とコメントした。

実証運行での自動運転バスへの乗車は、予約が必要なものの誰でも申し込める。実証実験の期間は羽田連絡線(大師橋駅~天空橋駅)が1月28日(火)~1月30日(木)および2月4日(火)~7日(金)、川崎病院線(川崎駅~市立川崎病院)が2月1日(土)~2月2日(日)のスケジュールで実施される。

目次

川崎駅前エリアと都県をまたぐ、2ルートでの実証実験

今回の実証運行では、以下の2ルートで運行が行われる。

自動運転バスは、都市部と臨海部を繋ぎ、川崎市が抱える交通課題を解決するための新たな試みとして位置付けられている。

  • 川崎駅前ルート
    川崎駅前から川崎病院を結ぶ市街地ルートで、地域住民の日常利用を想定した路線だ。このルートでは、交通量の多い都市部での安全性や自動運転技術の精度を検証する狙いがある。また、初年度は有人運行でデータを収集し、将来的には完全自動運転(レベル4)の実現を目指している。
  • 羽田連絡線ルート
    大師橋駅からキングスカイフロントを経由し、天空橋駅に至る全国初の都県をまたぐ自動運転バス路線だ。特に多摩川スカイブリッジを渡る部分が特徴的で、都市部と臨海部を結ぶ新しい交通手段として期待されている。羽田空港へのアクセス向上を図り、地域間の移動の利便性を高めることが目的だ。

「ストレスなく乗れた」「車線変更もスムーズだった」とコメント

出発式では福田市長らが自動運転バスに試乗した。試乗後の囲み取材では「まず驚いたのがスピード感。35kmぐらいのスピードが出て運転できていたため、ストレスなく乗れた。また、大通りでの2車線をまたぐ際やカーブを曲がる際も非常にスムーズだったので、技術の高さに非常に驚いた」とコメントした。

実際、福田市長にとって、自動運転バスは力を入れている施策のひとつ。同氏のマニフェストとして以前からモビリティ領域の技術活用について掲げており、2024年8月の自動運転バスに関する記者発表時にも「自動運転バスを成功させて、これを全国展開していく。川崎市はその道しるべになりたい」と述べていた。

人口は増加傾向にあるが、バスは減便している川崎市

川崎市は、人口減少の社会の中にありつつも、ここ数年は人口は増加傾向にある。しかし、平成30年(2018年)をピークに、路線バスの便数は年々減少。これは運転手不足が原因だ。さらに、同市では10年後には現状からさらに3割程度の運転手が減少する見込みも立てている。

出発式に出席した国土交通省 関東運輸局長・藤田礼子氏は「川崎市はほかの都市と比較しても、自家用車の利用分担率が低く、鉄道やバスなどの公共交通機関の利用分担率が高特徴がある」と述べた。このような運転手不足の状況と、バス等への利用ニーズのギャップの解消に向けて、市は自動運転バスの取り組みに力を注いでいる。

個別取材では市の担当者が、川崎市の自動運転バスへの意気込みについて「市の施策のなかでもプライオリティの高い施策のひとつ。川崎は鉄道も充実しているものの、住民の方々の需要を満たすためにもバスネットワークによる利便性の維持・改善・向上は必要不可欠。自動運転バス以外にもデマンド交通など、さまざまな形で交通のサポートをしていきたい」と話した。

実証運行の概要

川崎市での自動運転バスの実証運行は、以下の2つのルートで実施される。運行日程と詳細は以下の通り。

羽田連絡線(大師橋駅~天空橋駅)

日程:令和7(2025)年1月28日(火)~1月30日(木)、2月4日(火)~7日(金)
時間:9時~16時(1日あたり7便)
レベル:レベル2で運行(一部区間を除く)
※レベル2:システムが縦方向及び横方向両方の車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行するもの

川崎病院線(川崎駅~市立川崎病院)

日程:令和7(2025)年2月1日(土)~2月2日(日)
時間:9時~16時(1日あたり14便)
レベル:レベル0(完全手動)で運行
※レベル0:運転者が全ての動的運転タスクを実行

川崎市の自動運転バス 実証運行について

川崎市

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