自治体のDX推進、職員の意識改革が大きな課題に:(rakumo調べ)

rakumo
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rakumo株式会社は2月13日、自治体のDX推進担当105名を対象に、自治体のDX推進に関する実態調査の結果を発表した。

本記事では、同社のプレスリリースの内容をそのままお届けする。ダウンロードできる調査レポートも用意されているので、あわせてチェックしてほしい。

調査概要
調査期間:2024年12月19日〜同年12月23日
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
対象:自治体のDX推進担当105名(20~30代:26.7%、40~50代:61.0%、60代以上:12.3%)

目次

8割がDX推進計画を「策定済み」または「策定中」と回答

「Q1.お勤めの自治体におけるDX推進計画の策定状況を教えてください。」(n=105)と質問したところ、「策定済み」が39.0%、「策定中」が41.0%という回答となりました。

Q1.お勤めの自治体におけるDX推進計画の策定状況を教えてください。

  • 策定済み:39.0%
  • 策定中:41.0%
  • 策定予定:13.3%
  • 策定の予定なし:6.7%

DX推進計画の策定に向けて、61.0%が外部デジタル人材を「活用」

「Q2.DX推進計画の策定にあたり、外部デジタル人材の登用や活用はありましたか。」(n=105)と質問したところ、「活用した」が61.0%、「活用していない」が33.3%という回答となりました。

Q2.DX推進計画の策定にあたり、外部デジタル人材の登用や活用はありましたか。

  • 活用した:61.0%
  • 活用していない:33.3%
  • 活用を検討したが、最終的に活用しなかった:5.7%

DX推進の現状に対する自己評価は二分

「Q3.お勤めの自治体におけるDX推進の現状を自己評価すると、どの段階にあると感じますか。」(n=105)と質問したところ、「非常に進んでいる(8.6%)」「どちらかといえば進んでいる(39.0%)」を合計した「進んでいる」割合は47.6%でした。一方、「どちらかといえば遅れている(35.2%)」「非常に遅れている(12.4%)」を合計した「遅れている」割合も47.6%となっており、DX推進が進んでいると認識している担当者と、遅れていると認識している担当者で自己評価が二分されていることがわかります。

Q3.お勤めの自治体におけるDX推進の現状を自己評価すると、どの段階にあると感じますか。

  • 非常に進んでいる:8.6%
  • どちらかといえば進んでいる:39.0%
  • どちらかといえば遅れている:35.2%
  • 非常に遅れている:12.4%
  • わからない/答えられない:4.8%

年代を分けて見た場合、20~30代は「進んでいる」と「遅れている」の割合はそれぞれ50.0%と拮抗。40~50代は「進んでいる」が43.8%、「遅れている」が51.6%となり、遅れていると考えている方の割合が多い結果となりました。このことから、年齢や就いている役職によってDX推進の状況認識に違いがあることがうかがえます。

DX推進の課題、「人材不足・スキル不足」や「コストの増大」、「職員の意識改革」が上位

「Q4.DX推進において、特に課題と感じていることを具体的に教えてください。(5つまで)」(n=105)と質問したところ、「人材不足・スキル不足」が52.4%、「コストの増大」が47.6%、「職員の意識改革」が42.9%という回答となりました。

Q4.DX推進において、特に課題と感じていることを具体的に教えてください。(5つまで)

  • 人材不足・スキル不足:52.4%
  • コストの増大:47.6%
  • 職員の意識改革:42.9%
  • 予算確保:40.0%
  • 意思決定の遅さ:29.5%
  • 業務の非効率性:28.6%
  • 部署間連携の不足:28.6%
  • 組織体制の不備:12.4%
  • セキュリティ対策:11.4%
  • 既存システムとの連携:10.5%
  • 人事異動による担当者交代:9.5%
  • 目標設定・効果測定:5.7%
  • 検討から導入までに時間がかかりすぎる:5.7%
  • 他自治体との連携:4.8%
  • 業務継続性の対策:4.8%
  • 法令・制度の壁:3.8%
  • 住民のデジタルリテラシー格差:3.8%
  • システムの老朽化:1.9%
  • その他:1.0%
    • 首長の理解
  • 特にない:0.0%
  • わからない/答えられない:1.9%

本質問を年代で分けて見た場合、「意思決定の遅さ」について20~30代で42.9%が課題に感じている一方、40~50代は25.0%、60代以上は23.1%にとどまり、年代が若いほど課題感が強いことがうかがえます。また、「既存システムとの連携」は40代~50代が14.1%であるのに対し、20~30代が3.6%、60代以上が7.7%と年代によって差があり、DX推進担当者としてシステム全体を見渡せているかによって課題感に開きがあると考えられます。

既存システムの老朽化対策、「クラウドサービスへの移行」が47.6%で最多

「Q5.お勤めの自治体では、既存システムの老朽化対策について、どのような対応を行っていますか。」(n=105)と質問したところ、「クラウドサービスへの移行」が47.6%、「システム刷新・入替(オンプレミス)」が21.9%という回答となりました。

Q5.お勤めの自治体では、既存システムの老朽化対策について、どのような対応を行っていますか。

  • システム刷新・入替(オンプレミス):21.9%
  • クラウドサービスへの移行:47.6%
  • 現行システムの延命化(運用・保守の継続):16.2%
  • その他:0.0%
  • わからない/答えられない:14.3%

DXに対する意識改革とスキルアップに向けた取り組み、第1位「研修制度・eラーニング」、第2位「他自治体事例や先進事例の共有」

「Q6.お勤めの自治体では、職員のDXに対する意識改革やスキルアップのために、どのような取り組みを行っていますか。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「研修制度・eラーニングの導入」が61.9%、「他自治体事例や先進事例の共有」が44.8%、「イベント・セミナーへの参加」が31.4%という回答となりました。

Q6.お勤めの自治体では、職員のDXに対する意識改革やスキルアップのために、どのような取り組みを行っていますか。(複数回答)

  • 研修制度・eラーニングの導入:61.9%
  • 他自治体事例や先進事例の共有:44.8%
  • イベント・セミナーへの参加:31.4%
  • 外部人材の活用:20.0%
  • 他自治体や民間企業への職員派遣:19.0%
  • その他:0.0%
  • 特に取り組んでいない:7.6%
  • わからない/答えられない:8.6%

7割以上がグループウェアを「導入済み」と回答

Q7以降は勤務先の自治体での業務におけるDX推進について聞きました。まず、「Q7.あなたがお勤めの自治体では、グループウェアを導入していますか。」(n=105)と質問したところ、「導入している」が72.3%、「導入を検討している」が19.0%という回答となりました。

Q7.あなたがお勤めの自治体では、グループウェアを導入していますか。

  • 導入している:72.4%
  • 導入を検討している:19.0%
  • 導入済みだがリプレイスを検討している:0.0%
  • 導入していない:8.6%

内部業務のDX推進における期待、4割以上が「ペーパーレス化」と回答

Q1で「策定済み」「策定中」「策定予定」と回答した方に、「Q8.あなたがお勤めの自治体内部の業務のDX推進にあたり解決したいことを教えてください。(3つまで)」(n=98)と質問したところ、「ペーパーレス化」が40.8%とトップで、次点は「スケジュール調整業務の効率化」「コミュニケーションの円滑化・活性化」「情報共有の促進」がいずれも26.5%という回答で並びました。

Q8.あなたがお勤めの自治体内部の業務のDX推進にあたり解決したいことを教えてください。(3つまで)

  • ペーパーレス化:40.8%
  • スケジュール調整業務の効率化:26.5%
  • コミュニケーションの円滑化・活性化:26.5%
  • 情報共有の促進:26.5%
  • コスト削減:22.4%
  • 申請・承認の迅速化:22.4%
  • 業務の進捗管理:17.3%
  • 文書管理の徹底:14.3%
  • 職員満足度の向上(働きやすい環境づくり):12.2%
  • テレワークの導入・推進:8.2%
  • セキュリティ対策の強化:6.1%
  • その他:1.0%
  • 特にない:3.1%
  • わからない/答えられない:6.1%

DXシステム導入の選定で、半数以上が「業務効率の向上」を重視

「Q9.自治体内部の業務に関するDXのシステム導入の選定にあたって、重視することを教えてください。(3つまで)」(n=105)と質問したところ、「業務効率の向上」が52.4%、「使いやすさ」が29.5%、「セキュリティの堅牢性」が28.6%という回答となりました。

Q9.自治体内部の業務に関するDXのシステム導入の選定にあたって、重視することを教えてください。(3つまで)

  • 業務効率の向上:52.4%
  • 使いやすさ:29.5%
  • セキュリティの堅牢性:28.6%
  • 職員満足度の向上:26.7%
  • 導入・運用のしやすさ:25.7%
  • 情報共有の促進:21.9%
  • コミュニケーションの活性化:16.2%
  • 実績と信頼性:15.2%
  • 他システムとの連携:7.6%
  • 柔軟なカスタマイズ性:5.7%
  • 他の自治体や公共機関における導入実績:5.7%
  • サポート体制の充実度:3.8%
  • 最新技術への対応:3.8%
  • 拡張性:1.9%
  • その他:1.9%
    • 安さ
    • マンパワー
  • わからない/答えられない:4.8%

ベンダーへの期待、「コスト削減」や「自治体への理解」が上位

「Q10.自治体内部の業務に関するDX推進時に、ベンダーに期待することがあれば、具体的に教えてください。(3つまで)」(n=105)と質問したところ、「コスト削減」が38.1%、「自治体に対する深い理解」が31.4%、「費用対効果の高いサービス提供」が30.5%という回答となりました。

Q10.自治体内部の業務に関するDX推進時に、ベンダーに期待することがあれば、具体的に教えてください。(3つまで)

  • コスト削減:38.1%
  • 自治体に対する深い理解:31.4%
  • 費用対効果の高いサービス提供:30.5%
  • 豊富な導入実績や事例:25.7%
  • 導入後のサポート体制:25.7%
  • 導入・運用までのサポート体制:21.9%
  • 導入までのトライアル環境の無償提供:15.2%
  • 課題解決に最適なソリューション提案力:15.2%
  • 万全なセキュリティ対策:13.3%
  • 円滑なコミュニケーション:12.4%
  • 地域社会への貢献意欲:3.8%
  • 最新技術やトレンドに関する情報提供:1.9%
  • その他:1.9%
    • 完全デジタル化の提案
  • 特にない:1.0%
  • わからない/答えられない:5.7%

まとめ

今回は、自治体のDX推進担当105名を対象に、自治体のDX推進に関する実態調査を実施しました。

まず、8割の自治体がDX推進計画を「策定済み」または「策定中」と回答し、外部デジタル人材を活用している自治体は61.0%に上りました。DX推進の現状については、47.6%が「進んでいる」と自己評価する一方、課題として「人材不足・スキル不足」(52.4%)や「コストの増大」(47.6%)が上位に挙げられました。

既存システムの老朽化対策では、47.6%の自治体が「クラウドサービスへの移行」を行っています。さらに、DXに対する職員の意識改革やスキルアップの取り組みとしては、「研修制度・eラーニングの導入」(61.9%)が最も多く、グループウェアについては72.4%が「導入済み」と回答しました。

最後に、システム選定時の重視点として「業務効率の向上」が52.4%で最多となり、ベンダーに対しては「コスト削減」(38.1%)や「自治体に対する深い理解」(31.4%)が期待されていることが分かりました。

以上のことから、自治体のDX推進において、計画策定や内部業務効率化、職員スキルアップが重要な課題であることがうかがえます。これらの課題を解決するためには、自治体の業務に適したシステムの選定や、ベンダーからの支援体制が不可欠であると言えます。その上で自治体DXの取り組みを加速させることが、地域行政の持続可能な発展につながると言えるでしょう。

rakumo

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