宮崎県延岡市と、農業・防災分野でIoTソリューションを提供するベジタリア株式会社は、2025年2月5日、簡易IoTカメラを活用した水害防災軽減対策に関する連携協定を締結した。
本協定のもと、河川増水や道路冠水による浸水被害の軽減を目的とした「簡易IoTカメラ実証プロジェクト」が進められる。
協定の背景と目的
近年、ゲリラ豪雨の発生が増加し、短時間での集中豪雨による河川の増水や道路の冠水が各地で問題となっている。延岡市においても、こうした水害リスクが高まる中、迅速な察知と情報共有による住民の安全確保が急務となっている。
一方、ベジタリア株式会社は、農地や河川の監視に特化した防水・防塵仕様の安価なIoTカメラを全国で展開し、クラウド環境を活用したデータ管理・遠隔監視を行ってきた。
この協定により、ベジタリア社が提供する「簡易IoTカメラ」と「クラウド・ブラウザビューアー」を活用し、延岡市の水害対策に役立てることを目指す。現地の状況を遠隔監視し、関係機関と迅速な情報共有を行うことで、災害時のリスク軽減につなげることが本プロジェクトの狙いである。
プロジェクトの概要
■ 活動内容
延岡市内の4か所に簡易IoTカメラを設置し、以下の状況を監視する。
- 住宅街の用水路の氾濫
- 河川に近い住宅周辺の道路冠水
■ 監視の方法
設置したカメラは、ベジタリア社のクラウドシステムを通じて、遠隔からの監視を可能にする。カメラが撮影した映像は、関係機関とリアルタイムで共有され、迅速な対応を支援する。
■ 実証期間
プロジェクトの実施期間は約1年間を予定。データの収集・分析を行い、カメラの有効性や活用方法の検証を行う。
簡易IoTカメラの特長
今回の実証実験で導入される簡易IoTカメラは、以下のような特長を持つ。
- 防水・防塵仕様で屋外設置に適している
- クラウドシステムを通じて遠隔監視が可能
- リアルタイムで映像を関係機関と共有できる
- 低コストで導入可能なため、多拠点への展開がしやすい
夜間撮影にも対応しており、昼夜を問わず水害の状況を監視することができる。
今後の展望
実証期間を通じて得られたデータを基に、カメラの設置場所や運用方法の最適化を検討する。将来的には、延岡市全域や他自治体への展開も視野に入れ、水害対策の強化を図る。
また、今回のプロジェクトが成功すれば、他の自治体でも同様のIoTカメラを活用した防災対策が広がる可能性がある。
ベジタリア株式会社と延岡市は、引き続きテクノロジーを活用した防災対策の強化に取り組んでいく方針だ。
まとめ
今回の連携協定により、延岡市では水害リスクの軽減に向けた新たな取り組みがスタートした。
- 簡易IoTカメラを4か所に設置し、河川や道路冠水の状況を遠隔監視
- クラウドを活用したリアルタイム情報共有により、迅速な対応を支援
- 約1年間の実証実験を通じ、IoTカメラの有効性を検証
今後も、テクノロジーを活用した防災対策の推進が期待される。
延岡市とベジタリア株式会社の取り組みが、水害対策の新たなモデルケースとなるか注目が集まる。