物流ドライバーの「未来の眠気リスク」をAIが予測 アドダイスとセイノーラストワンマイルが実証実験を開始

物流ドライバーの「未来の眠気リスク」をAIが予測 アドダイスとセイノーラストワンマイルが実証実験を開始
  • URLをコピーしました!

株式会社アドダイスは、セイノーラストワンマイル株式会社と共同で、AI技術による「眠気の兆し」の予測を活用した実証実験を実施している。ドライバーの心身状態から眠気の予兆を数値化し、事故防止につなげる取り組みで、2025年1月から4月までを予定している。

目次

AIが「眠気の兆し」を数値化、事故を未然に防ぐ

実証実験では、セイノーラストワンマイル株式会社の関連会社であるココネット株式会社、株式会社地区宅便、日祐株式会社の協力のもと、ドライバーがバイタルデータを取得できるスマートウォッチを装着。取得した心拍数などの情報をアドダイスの独自AI「予兆制御®AI」で解析し、「いまの眠気(実測値)」と「未来の眠気リスク(予測値)」を0〜10のスコアで可視化する。

この「眠気スコア」は、運行管理者がリアルタイムで把握でき、眠気の兆しが見られた際には休憩や運行調整などの対応を促す仕組みとなっている。

背景にあるのは人手不足と事故リスクの増加

物流業界では、少子高齢化の影響により運転従事者の減少が進んでおり、2030年には2000年比で約半数にまで減少すると予測されている(公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会)。また、EC市場の拡大によりドライバーへの負担は増加し、心身の疲労による眠気は重大事故のリスクとして指摘されている。

こうした状況のなか、ドライバーの健康管理をテクノロジーで支援し、安全運行を確保することが物流現場の課題となっている。

実証ではAIと実感覚のズレも検証

実証では「眠気スコア」の精度に関する検証も行われ、ドライバーへのアンケートを通じて実感覚とのズレを把握し、AIの学習精度向上に活用する。また、スコア上昇時のアラートが事故や「ヒヤリハット」の回避に貢献するかどうかも評価対象となる。

将来はさまざまな業界での活用も

アドダイスが提供する「予兆制御AI」は、人や機械のバイタルデータや環境データからリスクの兆しを検出する特許技術「SoLoMoN® Technology」に基づいており、ヘルスケアや鉄道、製造分野などにも応用されている。

今回の実証実験を通じて、AIを活用したドライバーの眠気予測と事故防止の仕組みが確立されれば、物流業界にとどまらず、他業種への応用も期待される。

物流ドライバーの「未来の眠気リスク」をAIが予測 アドダイスとセイノーラストワンマイルが実証実験を開始

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次