愛知県豊橋市に、ドイツ発祥の健康促進手法「クアオルト健康ウオーキング」を取り入れた専門コース「クアの道」が誕生した。コースは市内の岩屋緑地と高師緑地に整備され、誰もが自然の中で無理なく楽しく歩ける環境が整った。3月30日には「クアの道」認定を記念した式典と体験会が行われ、多くの市民や関係者が参加した。
医療に根差した「クアオルト健康ウオーキング」とは
「クアオルト健康ウオーキング」は、心拍数を管理しながら専門ガイドの案内で自然の中を歩く、医療と連携した健康プログラムで、ドイツでは保険適用されている実績もある。豊橋市ではこの考え方を取り入れ、市民の健康づくりと生活習慣病予防の一環として「クアの道」整備に取り組んできた。
2つの個性あるコースが誕生
松風そよぐ高師緑地コース(全長2.97km)
松林を抜ける心地よい風を感じながら歩けるのが特徴で、高低差が少なく、運動に不慣れな人でも無理なく楽しめる内容となっている。リフレッシュや運動習慣の定着にもおすすめのコースだ。
四季彩る岩屋緑地コース(全長1.47km)
適度な坂道を含み、四季折々の自然や展望を楽しみながら筋力トレーニングと有酸素運動を兼ねた効果的なウォーキングができるコース。健康増進に積極的に取り組みたい層に向けた構成となっている。
各コースの詳細およびマップは豊橋市ホームページで公開されている。 https://www.city.toyohashi.lg.jp/61415.htm
認定記念式典と体験会を開催
3月30日には岩屋緑地にて、「クアの道」の専門コース認定を記念した式典および体験会が開催された。式典ではテープカットやガイドの認定、記念撮影が行われ、続いて行われた体験会では、参加者が専門ガイドの案内のもと、実際のウオーキングを体験。自然と一体となった健康づくりの魅力に触れた。
市民の健康課題に応える取り組み
豊橋市では、愛知県や全国に比べて糖尿病や高血圧の患者数が多いという地域課題を抱えており、これまで「歩く」ことを軸とした健康施策を推進してきた。今後は「クアの道」の整備に加え、健康アプリ「あいち健康プラス」や関係機関との連携により、運動に関心の薄い世代にもアプローチし、誰もが自然と健康に近づける環境づくりを目指す。
全国表彰「クアオルト健康ウオーキングアワード2023」優秀賞を受賞
豊橋市は、疾病予防と健康増進に寄与する取り組みとして評価され、太陽生命が主催する「クアオルト健康ウオーキングアワード2023」で優秀賞を受賞している。受賞自治体には、コース整備や専門ガイドの育成などの支援が行われる。
今後も市では、市民の健康寿命延伸を目指して、クアオルト健康ウオーキングを中心とした施策を継続的に展開していく方針だ。