高崎商科大学(群馬県高崎市)は、株式会社不二家と連携し、同社のロングセラーブランド「カントリーマアム」の群馬限定商品を学生主導で開発するプロジェクトを進めている。プロジェクトは2024年5月に始動し、2025年8月の商品化を目指す。
本取り組みは、大学生27名と附属高校生20名が参加し、不二家商品企画部と連携しながら群馬らしい土産品の開発を進めるもの。観光客による“バラマキ土産”としての特性を活かし、地域ブランドの認知向上と群馬の魅力発信、ひいては観光振興への貢献を目指す。
フィールドワークから本格提案へ、学生の主体性が鍵
学生たちは県内各地の自治体や生産者、企業を訪れ、現地調査を実施。農産物の魅力や生産者の想い、企業の努力に触れることで、地域資源の価値を学び、商品企画に反映させた。
11月には不二家本社とオンラインでつなぎ、審査員9名を前にプレゼンテーションを実施。全チームが実現可能性やデータ分析を踏まえた提案を行い、審査員からも「どの企画も採用に値する」と高い評価を受けた。
「学び・地域・企業」3者の連携で挑む商品開発
本プロジェクトの指導を担当する東英和教授(商学部 経営学科)は、「大学、地域、企業の3者が連携し、収益・地域振興・学びという3つの課題に同時に取り組むことが本プロジェクトの特徴」と語る。
さらに、学生、教員、職員がそれぞれの役割を担いながら、実践的な商品開発プロセスに取り組むことで、「多くのお客様に喜ばれる商品が生まれることを期待している」と述べた。
参加学生の声:「本質を見る力」「挑戦と粘り強さ」を獲得
参加した学生からも、成長を実感する声が上がっている。
会計学科3年の櫻井翔太さんは、「企画が煮詰まったときに初心に立ち返り、本質を見る力を養えた」と振り返る。また、経営学科3年の坂本璃乃亜さんは、「困難を乗り越えて企画を形にした経験が、就職活動にも自信を与えてくれた」と語る。
今後の展望:学生企画のカントリーマアムが来年度商品化へ
本プロジェクトで採用された企画は、2026年度中の商品化を予定しており、“群馬土産”として県内の土産物店などでの販売が見込まれている。
プロジェクトは、高崎商科大学が設置する社会連携センター(xTUC)が主導。今後も企業・地域・高校との連携を通じた社会貢献活動を展開していく方針だ。