特殊冷凍技術を活用した食品事業を展開するデイブレイク株式会社(東京都品川区)は、2025年3月に米国ラスベガス、4月にドイツ・ハンブルクで開催された国際展示会に出展し、独自技術で製造した「冷凍寿司」を披露した。現地の食品業界関係者や航空会社関係者から高い評価を受け、欧米市場への展開に向けた大きな一歩を踏み出した。
米国展示会でBtoB市場への手応え
3月25日・26日にラスベガスで開催された飲食業界向け展示会「Bar&Restaurant Expo 2025」では、カリフォルニアロールとサーモン握り寿司を各1,000個提供。開始からわずか数時間で完売する盛況ぶりとなった。会場では現地の飲食事業者や卸売業者から「冷凍とは思えない品質」との声が多く寄せられ、実食を通じた品質の高さが評価された。
これまで米国では冷凍寿司に対する品質面での課題があったが、デイブレイクの製品はその常識を覆すものとして注目されており、現地企業との連携による販売体制の構築も進行中だ。
ドイツ展示会で機内食市場に可能性
続く4月8日から10日にかけて、ドイツ・ハンブルクで開催された「World Travel Catering & Onboard Services EXPO 2025」では、双日食料株式会社と共同出展し、機内食分野での冷凍寿司の提供可能性を提示。保存性や衛生面の課題をクリアし、解凍のみで高品質な寿司が提供できる点が評価され、航空会社やケータリング会社からの関心が集まった。
特に富裕層向けの差別化戦略を検討する企業との相性が良く、今後の事業展開に向けた有力な接点を獲得したという。
特殊冷凍技術で再現する“できたての味”
同社の主力製品である特殊冷凍機「アートロックフリーザー」は、急速かつ均一な凍結により食品の細胞損傷を防ぎ、風味や食感を保ったまま冷凍保存することが可能。現在、約700社以上に導入されており、難しいとされてきた寿司の冷凍にも対応している。
世界へ広がる日本食文化の可能性
今回の出展を機に、デイブレイクはアメリカ市場での本格展開に加え、ヨーロッパ市場にも注力する方針を示しており、アジア圏での生産拠点整備も視野に入れている。今後も「冷凍寿司」を軸に、世界中に日本の食文化を届ける取り組みを推進していくとしている。