ヤンマーホールディングス傘下のヤンマーエネルギーシステム株式会社は、農業副産物であるもみ殻を活用した「高効率もみ殻バイオ炭製造装置」の実証試験を、JAぎふと連携し岐阜県岐阜市で開始した。これは、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択されたもので、全国50地区以上での栽培試験とともに、高機能バイオ炭の普及と地域主導の脱炭素農業モデル確立を目指す。
装置は1時間に100kgのもみ殻から30kgのバイオ炭を24時間連続で製造可能。独自の省エネ技術と歩留まり改善により、製造コストを従来比約40%削減し、1トンあたり3万円の製造を目標とする。さらに、化石燃料不使用・発がん性物質の抑制設計を採用し、環境負荷低減にも配慮されている。
製造されたバイオ炭は、収量向上や肥料効果を備えた「高機能バイオ炭」として活用。地域のカントリーエレベーター内でのオンサイト製造を推進することで、地消地産型の循環農業を構築し、農産物の環境価値の可視化と有利販売を実現する方針だ。
本プロジェクトは、農業副産物の利活用による脱炭素と地域農業の付加価値向上を両立する、新しい農業イノベーションの試金石となる。