東急不動産株式会社と東急リゾーツ&ステイ株式会社は8月13日、両社が開発または運営する「東急ハーヴェストクラブ」や「東急ステイ」といった宿泊事業等のサービス業における人手不足に向けた取組みの一環として、東急リゾーツ&ステイにおいて特定技能海外人材の多人数採用を開始した。
特定技能海外人材の採用を皮切りに、今後も海外人材の積極的な受け入れを進め、サービス業での人手不足を解消することで、利用客の多彩な過ごし方の提案を通じ、豊かな時間と体験を提供していく。
ミャンマーとフィリピンから52名を採用
宿泊・観光業を含むサービス業では、少子高齢化を背景とした人口の減少傾向、とくに生産年齢人口が減少していることにくわえ、インバウンド需要の回復に伴い、人手不足がより一層の課題とされている。
東急リゾーツ&ステイが運営する宿泊・観光業は、都市型の中長期宿泊施設「東急ステイ」にくわえ、主にリゾート地の会員制ホテル「東急ハーヴェストクラブ」などさまざまな宿泊施設のほか、スキー場やゴルフ場など全国に104施設を幅広く展開し、年間約700万人の利用者がいた。
一方で、リゾート地は新たな採用を含めたサービス要員の確保が困難になり、そのなかでもとくに調理人材の人手不足傾向が課題だった。
この課題に対し宿泊施設の安定的な運営を図るため、株式会社ONODERA USER RUN(OUR)が運営する現地無償教育機関(OURミャンマーアカデミー、OURフィリピンアカデミー)の特定技能海外人材52名を採用した。
今回の採用は、東急リゾーツ&ステイとして初めて多人数での特定技能海外人材の受け入れとなる。この度入国する52名には、現場の安定的な運営に寄与するだけでなく、多様性のある組織の実現に向けた架け橋としての役割を期待しているという。
また、今後は東急リゾーツ&ステイが求める人材像の解像度をより高め、OURの教育スキームに同社オリジナルの教育カリキュラムを組み込むことで、より同社にマッチした人材を育成する教育スキームの構築、および運用を目指していく考えだ。
採用者のうち30名は7月から現場研修 その後各地で勤務開始
今回採用した52名のうち、7月30日に入国した30名は、今後東急ハーヴェストクラブ斑尾にて約2ヵ月間の現場研修後に、各施設にて勤務を開始予定だ。残りの22名についても、2025年5月に入国し、就労開始する。
2ヵ月間の研修に先駆け、2024年6月には最初の受入施設である東急ハーヴェストクラブ斑尾のスタッフに対し、受け入れる側のマインドセットを目的に「文化理解研修」を実施した。
また、海外人材に実施する2ヵ月間の研修内容は、約2週間に渡り座学を中心に日本文化を理解するための研修、その後約2週間は調理・ホールの実技研修、さらに約1ヵ月間は実際に現場に入り、実務に携わりながらの研修(OJT)を予定している。
2033年には正社員全体の約30%を海外人材が占める会社に
東急リゾーツ&ステイは多様性のある組織の実現に向け、今回のミャンマー、フィリピンに限らず韓国や中国、台湾、インドネシア、インド、ネパールなどさまざまな海外人材の受け入れを積極的に進めていく方針だ。
プレスリリースでは「2033年には、正社員全体の約30%を海外人材が占める国際的な会社となるべく、国籍や宗教、性別などにとらわれない公正な活躍機会を提供し、さまざまな価値観のなかで誰もが自分らしくいきいきと働ける環境作りを進めることで、社会に対する価値提供に還元してまいります」と述べられている。