和歌山市は8月15日、ガバメントクラウド環境下での標準準拠システムの最適な運用方法を、紀陽情報システム株式会社、日本オラクル株式会社と研究し、その成果を他自治体にも公表する予定だと発表した。研究テーマは、「ガバメントクラウドを活用した費用低減策の可視化」と「標準準拠システムのモダン化(クラウドへの最適化)による効果検証」。令和6年7月8日から令和8年3月31日までを研究期間としている。
国が進める「地方公共団体情報システム標準化」では、自治体が運用する情報システムのうち以下20業務のシステムについて、ガバメントクラウド上に移行することが求められている。
- 住民基本台帳
- 印鑑登録
- 選挙人名簿管理
- 就学
- 個人住民税
- 固定資産税
- 法人住民税
- 軽自動車税
- 国民健康保険
- 介護保険
- 後期高齢者医療
- 国民年金
- 障害者福祉
- 健康管理
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 生活保護
- 子ども・子育て支援
- 戸籍
- 戸籍の附票
ガバメントクラウドは、従来のオンプレミスのシステム環境とは異なる仕組みであり、システムを安定的に運用し、なおかつ費用を節約するためには、適切な運用方法を設計することが重要だ。
和歌山市では、まず第一段階として、20業務のうちの住民基本台帳、印鑑登録、選挙人名簿管理、就学の4業務のシステム(住基系システム)を、ガバメントクラウドのひとつである「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上で稼働させることを目指す。
冒頭に記載した、研究成果を他自治体に公表することだけでなく、デジタル改革共創プラットフォームアンバサダーに任命された和歌山市職員による情報発信を進めるという。
和歌山市ではガバメントクラウドに選定されたクラウドサービスOCIへの移行をすでに開始している。稼働開始は2025年1月を予定。
オラクルが7月に発表したプレスリリースでは、和歌山市による以下のコメントが記載されていた。
「どのようなシステム構成をとれば費用を低減できるか」、「どのようにシステムを利用すれば費用が低減できるか」を、今回の取り組みの中で研究し、成果を見込めそうな内容は積極的に公表し、全国のガバメントクラウドに移行する自治体の参考になればと考えています。システムが本稼働してからの検討ではなく、構築期間中に問題意識を持ち、研究、検討を進めていくことが非常に重要であると考えています。
ガバメントクラウド上で稼働するシステムの安定化についても日本オラクルのサポート、その支援内容について期待しています。