大阪府泉佐野市の特定非営利活動法人キリンこども応援団は8月23日、ことし8月上旬からさまざまな事情で食事に困っているひとり親等の子育て世帯150世帯に無償の食材配送をしたと発表した。配送先の世帯は、7月下旬に配送希望の申し込みを募っていた。
7月の申し込み時に実施したアンケートでは65%以上の世帯で「昨年と比べて食事に困る頻度が多くなった」と回答があった。長期休暇中は学校の給食がなくなるため、各家庭で昼食の準備が必要になる。さらに昨今の物価高騰も相まって、経済的に困窮する子育て世帯にとっては非常に厳しい期間だった。
今回配送したのは、米やレトルト食品・パスタ・ツナ缶・調味料・お菓子等の食材、日用品など。値上がりして手が出しにくくなっているものを中心にラインナップしたそうだ。
受け取った世帯から寄せられたコメントを紹介する。
- 届いた箱の重さ、食品や日用品の数にびっくり!子ども達と一緒に箱を開け、「うわぁ~!すごい!」と大喜びしながら一つひとつ手に取りました。
- お米や調味料、生理用品が値上がりしているので、助かりました。いつもは安いものばかりで、子ども達にもあまり質の良いものは買ってあげられずにいました。両親はすでに亡くしていますが、お盆に両親が私や子ども達の喜ぶものを送ってくれたような気持ちになり、涙が止まりませんでした。暑く大変な中、素敵なプレゼントをどうもありがとうございました。
- 以前は毎日おやつがあるのが当たり前でしたが、ひとり親世帯になってからは毎日のおやつを買うことができず、特にカルピスは買うのになかなか勇気が要ります。今回、お菓子やカルピスが入っていて、これで子ども達が大好きなシャーベットを作ったりできます。ありがとうございました。
- 取り組みの向こう側にはたくさんの人達の善意があり、それが形となって届いているのだと思うと、なかなか厳しい世の中だけど素敵な世の中でもあるなと感激しています。ありがとうございました。
- 母にも子ども達にも嬉しい“キリンさんからの応援物資”、元気が出ました!化粧品のサンプルも入っていて、キリンさんの優しいお気遣いが嬉しかったです。これで残りの夏休みも乗り切ります!
キリンこども応援団では、2021年から長期休暇中におけるひとり親世帯への食材支援に取り組んでいる。今夏の支援では、年末年始に実施した際から支援量を2倍にしたそうだ。
同団体ではフードバンクやパントリー事業以外に、子ども食堂事業(子ども食堂キリンの家)、フリースクール事業(フリースクールキリンのとびら、オンラインフリースクールclulu)なども手掛けている。