明治安田総合研究所は8月29日、「地元愛に関するアンケート調査」を公表した。結果の詳細はすでに公開されているが、本稿でもトピックをいくつか紹介したい。
▶ 地元愛に関するアンケート調査
調査概要
調査地域:全国
調査対象:18歳以上69歳以下の男女5,555 人
※職業が「公務員」「経営者・役員」「会社員」「自営業」「自由業」「パート・アルバイト」と回答した人
調査期間:2022年:7月5日(金)~ 8日(月)
調査方法:Webアンケート
※回答者の内訳は調査結果参照
地元好きが多い都道府県
地元好きが多いトップは兵庫と鹿児島、3位以下は、愛知、熊本、富山と続く。
地元を出た人のなかでは、熊本がトップ、次いで北海道、鹿児島、千葉、三重、京都、広島の順。一方で、地元に残った人では兵庫がトップ、次いで愛知、富山、福岡、鹿児島、神奈川となった。
地元を出た人の志向 4割が就職のため
地元を出た理由は「就職のため」が約4割でトップ。次に「進学のため」が続く。また、地元を出た人のうち、将来地元に戻りたいと回答した人は、約半数いた。地元を出た人に聞いた、地元に戻りたいランキングは沖縄がトップ、2位以下は、新潟、福岡、神奈川、愛知、兵庫と続いた。
地元の好きなスポーツは バスケは沖縄がトップに
サッカー人気は静岡県がトップ。次いで新潟だった。また、サッカー、野球、バスケットボールの3大スポーツのなかでは、地元密着を特長とするJリーグ効果により、全都道府県平均の人気はサッカーがトップという。
野球人気は広島がトップ、NPB球団が本拠地化して相対的に日が浅い宮城、北海道が2位、4位。高知、岩手がトップ10にランクイン。岩手は出身者である大谷翔平選手の活躍が人気に一役買っている可能性もある。
バスケットボールは沖縄県がトップだった。秋田、栃木といった伝統的にバスケットボールが盛んな地域が2位、3位と続く。また、広島は野球、サッカー、バスケットボールともにベスト10にランクインしている。
地元のライバル 多くは隣接都道府県だが・・・?
同一地方に複数の都道府県がある場合、隣接先をライバルとするケースが大部分。ただし、例外として大阪→東京、福岡→大阪、愛知→大阪があった。
件の大阪府は、東京をライバル視しているが、その東京がライバル視しているのは神奈川県だった。なお、神奈川県のライバル視先は東京都で相思相愛。そのほか、互いにライバルと認め合う関係は、北海道⇔沖縄、宮城⇔福島、茨城⇔栃木、埼玉⇔千葉、山梨⇔静岡、富山⇔石川、広島⇔岡山、鳥取⇔島根、香川⇔愛媛。関東地方の3例が最多、近畿・九州地方ではゼロだった。
これは本稿筆者の余談だが、スポーツが関係していそうな予感もしなくもない。埼玉にだけは負けられない。千葉だけには負けられない。
地元の自治体の取組みについて
地元に残った人に聞いた期待する取り組みは、「街づくりの強化(交通インフラの整備・空き家の解消など)」がトップ。以下、「子育て支援の強化」「やってほしいことは特にない」「自然災害などでの危機管理」「雇用/販路拡大に関する取組み」「観光事業の強化」と続いた。
地元に残った人に聞いた無駄だと思う取り組みは、「そもそも地元自治体の取組みを知らない」がトップだった。また、「ゆるキャラなどの話題作り」については、取り組んでほしいと思う割合より無駄だと思う割合が多い。