株式会社Empathy4uは9月2日、自治体向けヤングケアラー実態調査ツール「Carer Research」の自治体への無償提供を開始したことを発表した。無償提供の背景には、全国でのヤングケアラー実態調査の実施に寄与したいという強い想いがあったからだという。
全国の21%しか実態調査できていなかった
すべての市区町村自治体では、ヤングケアラー実態調査を少なくとも年1回実施をすることが推奨されている。しかし令和6年2月時点では、ヤングケアラーの実態を調査した市区町村は全国の21%にとどまり、多くの自治体では実態調査が実施できていない状況だった。
そこで株式会社Empathy4uは、全国でのヤングケアラー実態調査の実施に寄与すべく、実態調査アンケートから集計、レポートの提供までワンストップで実現する「Carer Research」を「実証実験プラン」として自治体に無償提供するに至った。なお、申込数が上限に達し次第、無償提供は終了となる。
ヤングケアラー実態調査に特化した機能
Carer Researchには主に5つの機能を備える。
複数のテンプレートから調査項目を選べる
実態調査の項目のテンプレートを複数用意しているので、質問項目を1から考える必要はない。全国自治体の実態調査をインポートしており、自治体に適したテンプレートをベースに調査項目を検討できるという。
小中高別のアンケート作成
小学校、中学校、高校や学校関係者など、調査対象ごとに個別にアンケートを作成、管理できる。また、個別にURLも発行できるので、集計もシンプルに実現できるそうだ。
強力な質問分岐機能
回答者の属性による回答内容切り替えや、お世話をする相手に応じた質問の変更など、強力な質問分岐機能を提供している。
アンケート前のページ設置やひらがな対応等の独自機能
ヤングケアラーの説明ページや、質問前の留意項目の提示などをカスタマイズして設置可能。また、質問項目や各種メッセージはすべてひらがな対応ができ、全年齢対象のアンケートを簡単に作成できる。
PC、タブレット、スマートフォン全てに対応
アンケート回答ページはPC、タブレット、スマートフォンすべてに対応しているため、回答者の端末種類を気にする必要はない。
アンケート結果の集計結果やレポートも提供
アンケート結果は単純集計だけでなく、クロス集計でも提供される。さらに集計データは自治体ごとのオーダーメイドを受けて提供いてくれる。国や全国自治体の調査結果と比較し、個別分析付きの調査結果レポートも提供可能だという。
自治体の希望に応じ、調査結果と全国の政策実施状況から次ステップの具体的な政策の提案もしてくれるそうだ。