北海道石狩市で、車道を走行する無人自動配送ロボットに、オープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を搭載した移動型宅配サービスの実証実験がスタートしました。この取り組みは、京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)、ヤマト運輸株式会社、Packcity Japan株式会社の3社が共同で行うもので、EC市場の拡大やドライバー不足といった物流業界が抱える課題解決の一端を担うことが期待されています。
目次
実験の背景と目的
近年、EC市場の拡大に伴い宅配便の数は増加の一途を辿っていますが、一方でドライバー不足や輸送力不足が懸念されています。特に、ラストワンマイルと呼ばれる配送の最終段階では、多頻度小口配送やドライバー不足が課題として挙げられてきました。
今回の実証実験では、中速・中型無人自動配送ロボットにPUDOステーションを搭載することで、これらの課題を解決し、より効率的で便利な配送サービスの実現を目指します。具体的には、以下の点が期待されています。
- 人手不足の解消: 人手不足が深刻化する物流業界において、無人配送ロボットの導入は、人々の負担を軽減し、効率的な配送を可能にします。
- ライフスタイルの変化に対応: EC利用者の増加や多様な働き方の普及に伴い、非対面での荷物受け取りに対するニーズが高まっています。PUDOステーションの設置により、いつでもどこでも好きな時に荷物を受け取ることができるようになります。
- 地域物流の活性化: 無人配送ロボットの導入は、地域における物流サービスの効率化に貢献し、新たなビジネスモデルの創出につながることが期待されます。
実験の内容と今後の展望
今回の実証実験では、石狩市緑苑台東地区の一部エリアを対象に、無人配送ロボットがPUDOステーションを搭載し、宅配便を配送します。利用者は、ヤマト運輸の個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」に登録することで、このサービスを利用することができます。
実験期間中は、無人配送ロボットの走行ルートや性能、PUDOステーションの利用状況などを詳細に分析し、今後のサービス展開に活かしていく予定です。
3社は、今回の実証実験を通じて、無人配送ロボットを活用した新たな物流サービスの社会実装を目指し、地域社会の発展に貢献するといいます。