皆さんの手元にある、使わなくなったスマートフォン。それは単なる廃棄物ではなく、アフリカのコンゴで暮らす人々の未来を大きく変える力になるかもしれません。
認定NPO法人テラ・ルネッサンスは、安田産業株式会社と協力し、不要になったスマートフォンを回収し、コンゴ民主共和国における紛争の被害を受けた人々の支援に繋げる「ケータイforコンゴ」プロジェクトを実施しています。
コンゴの現状と紛争鉱物問題
コンゴでは、長年にわたる紛争により540万人以上が犠牲になりました。その背景には、スマートフォンやパソコンなどに使用されるレアメタルなどの天然資源をめぐる争いがあります。これらの資源は「紛争鉱物」と呼ばれ、紛争の資金源となり、人々の生活を脅かしています。
スマホの回収が、平和と未来を創る
「ケータイforコンゴ」では、回収されたスマートフォンからレアメタルを再利用することで、紛争鉱物の需要を減らし、コンゴの紛争を終わらせる一助とします。また、回収されたスマートフォン1台につき30円が、コンゴで職業訓練や生活支援を行うテラ・ルネッサンスの活動資金に充てられます。
動物園も協力!ゴリラの保護にもつながる
紛争鉱物の採掘は、ゴリラなどの野生動物の生息地を破壊し、絶滅の危機に瀕させています。この問題解決は、ゴリラの保護にもつながる重要な取り組みです。そこで、9月24日の世界ゴリラの日に合わせて、上野動物園、千葉市動物公園、日本モンキーセンター、京都市動物園の4園が「ケータイforコンゴ」に協力し、スマートフォン回収ボックスを設置します。
各園の実施期間
- 上野動物園: 2024年9月18日(水)~2024年12月28日(土)
- 千葉市動物公園: 2024年9月19日~常設
- 日本モンキーセンター: 2024年9月19日~常設
- 京都市動物園: 2024年9月22日~常設
テラ・ルネッサンス伊藤さんのコメント
「テラ・ルネッサンスではコンゴで紛争被害にあった人々を対象に職業訓練などの自立支援を実施してきました。スマホなどの回収により得られた資金は、これらの支援活動に活用させていただきます。2023年度は全国4つの動物園でケータイforコンゴにご協力いただき、合計2,272台もの使用済みスマホ・携帯電話を回収することができました。また、テレビ・新聞など様々なメディアにも取り上げられ、大きな反響がありました。レアメタルの再利用の促進はコンゴの紛争を抑制するだけでなく、自然破壊により個体数が減少するゴリラの保全にも通じていると思います。我々が行う支援活動だけではなく、鉱物調達に関わるあらゆるセクターの意識や行動変容によって、すべての生命にとっての平和構築に繋がることを願っています」