千葉県習志野市役所は10月1日、再建設を計画中の文化ホールにおいて、ホールの附帯施設であるパイプオルガンの再設置にともなうクラウドファンディングをCAMPFIREで開始した。目標金額は6,000万円で10月31日(木)までを予定。All or Nothing方式を採用しており、目標金額に達しない場合は、クラウドファンディングへの支援金は全額返金される。
習志野文化ホールは2023年3月をもって休館した。建物の老朽化や津田沼駅周辺の再開発計画などが理由だ。そのため、再建設するに至った。しかし、その費用は100億円を超す。
パイプオルガンは再設置するのにもお金がかかる。当初は1億5,000万円かかると試算されていたが、最終的には6,000万円で済むようになった。9,000万円の減額に成功したものの、6,000万円かかる事実は変わらない。
習志野市でも人口減少局面に突入する一方で、さまざまな施策に多額の費用が必要となっている。そのため、予算の執行には費用対効果を十分に見極める必要がある。件のパイプオルガン再設置も例外ではない。
そこで市はクラウドファンディングを実施し、目標金額に達したら再設置するが、達しない場合は設置しないという判断に至った。
習志野文化ホールのパイプオルガンは、旧西ドイツのベッケラート社の製作で、49ストップ、大小3,512本のパイプを備えており、建設当時の価格で約1億円をかけて設置された。建設当時、習志野文化ホールのパイプオルガンは、公共ホールとしては日本で初めて設置された大型パイプオルガンとして話題になった。現在でも県内の公共ホールでは唯一のパイプオルガンだ。