株式会社ELEMENTSは10月1日、コスモ石油マーケティング株式会社と株式会社タツノとともに、セルフ式ガソリンスタンドにおける人手不足解消に向けたAI自動給油許可監視システムの実証実験を実施することを発表した。このAI監視システムは、給油者がガソリンの給油や灯油の注油をする際に、ノズルを計量機から外して、給油や注油を開始する際の許可判定、および給油や注油が完了した際にノズルを計量機に戻すまでの監視などが対象だ。
人手不足などが理由にガソリンスタンドが減少
人手不足等により、国内のガソリンスタンド数は2023年度末に約2万7000店と、1994年度のピーク時に比べて半減しているという。重要な移動手段である自動車を動かすために必要な給油所は、多くの人の生活に関係する重要な設備だ。
電気自動車(EV)の普及が見込まれているものの、ガソリン車への需要はまだまだ高い。そのため、ガソリン供給網の維持は引き続き求められている。
最近ではセルフのガソリンスタンドばかりな印象ではあるが、給油をセルフにしたからといって、ガソリンスタンドでの業務がいっさい無くなるわけではない。顧客の給油作業の監視や許可にスタッフが必要だからだ。
給油の許可判定や監視を人の代わりに一部をAIが代替
今回ELEMENTSらが取り組むAI自動給油許可監視システムは、給油や注油を開始する際の許可判定、および給油や注油が完了しノズルを計量機に戻すまでの監視をAIが担うというもの。
ガソリンスタンドのレーンにカメラを設置し、カメラから取得された画像情報などからAIによる画像認識技術で、正常な給油姿勢であれば給油の許可を、給油の際に火気の疑いや、ポリタンクや携行缶への給油の疑いがある際は給油の不許可/停止および従業員への警告を自動化させる。
従業員の一部業務をAIに任せることで、店舗における省人化や既存従業員の高付加価値販売へのシフトのほか、AIのサポートでヒューマンエラーなどによる事故やトラブルを防ぐなど現状以上の安全確保の実現を目指している。
一見すると局所的なAIに思えるが、ガソリン等の不正な使用を防ぐなど、カバーできそうな領域はかなり多そうに思える。とくに人が少ない地域におけるガソリンスタンドにおいては事故や事件を未然に防ぎやすくなりそうだ。