奈良市役所は10月8日、近鉄大和西大寺駅南北自由通路内および近鉄学園前駅隣接の西部会館内に「図書受取ロッカー」を設置することを発表した。10月16日からロッカーの運用を開始する。
図書受取ロッカーとは、「荷物の宅配ロッカー」のようなものだという。図書館ホームページから事前に借りたい本を予約し、本の受取場所を「図書受取ロッカー」に指定すれば、「図書受取ロッカー」を使って本を受け取れるサービスだ。
狙いは、通勤、通学の方にもっと身近に図書館の本に親しんでもらえるようすることだ。以下グラフが示すように、現在の図書館利用者は13歳~30歳の方の利用が他の利用年代に比べて低い現状がある。
奈良市は、市内2ヵ所に設置し、年間約12,000冊の本が受け取られることを見込んでいる。
図書受取ロッカーの利用には、奈良市立図書館の利用者登録が必要。すでに利用者登録が済んでいる人は新たに手続きは必要ない。事前にマイナンバーカードを図書館貸出券として登録しておけば、マイナンバーカードでもロッカーを利用できるようになるそうだ。
ロッカー利用は無料で、取り置き期間は5日間。図書の返却は図書館窓口もしくは返却ポストにいれる形式だ。
図書館は地方創生においても実はかなり注目度の高いトピック。デザイン性の高い図書館などが一時期話題になったように、多くの自治体が図書館の新たな価値提供に励んでいる。ただ、図書館には「行く必要がある」という点が現代においてはなかなかネックな要素だった。
その点、奈良市のこの取り組みは住民に対しての図書利用を大きく促せる施策になりそうだ。自分の住んでいる自治体でもやってほしい。うらやましい。
なぜ図書館を作ることで「雇用創出」「地域活性」を実現した地方創生になるのか
図書館を中心とした地方創生に取り組む人たちがいる。「図書館と地域をむすぶ協議会」だ。彼らが目指すのは地域づくりの核になるかどうかである。もっといえば、図書館をつくるが、そのターゲットは図書館だけでなく、地域全体だ。