株式会社うるるは10月17日、同社が開発・運営する「調達インフォ」が全面リニューアルしたと発表した。公的機関の調達業務における仕様書作成を効率化するため、生成AIを活用した「仕様書作成支援機能」を新たに追加したという。
調達インフォは約2,300万件にのぼる全国およそ8,400機関以上の入札案件・落札情報を、公的機関の調達担当者が閲覧・情報収集できるサービスだ。
調達業務、1案件あたり平均10時間削減
うるるの調査によれば、公的機関の調達業務担当者は調達インフォを導入したことで、これまで調達業務に費やしていた時間が1案件あたり平均約10時間も削減できていることがわかった。
業務効率化は行政機関においても大きなトピック。たしかな効果を実感したことで、全庁導入に進んだ例もあるという。
2021年3月に調達インフォを導入した東京都立川市は、同サービスが保有する入札案件データベースを活用することで数時間の作業で情報収集を完了でき調達業務の大幅な改善につながった。この結果を受け、2024年度から調達インフォが全庁で導入され、すでに交通・教育・人事など10以上の課で活用が進んでいるそうだ。
立川市だけでなく調達業務における課題を抱える公的機関の担当者から好評の声が相次いだ。2024年9月時点で有料導入公的機関の数は100を超えている。
公的機関からの相談ごとの7割を占める「仕様書作成課題」を解決
今回新たに追加された生成AIを活用した「仕様書作成支援機能」は、さらに課題を解決できる機能だと期待されている。
調達インフォ宛に2020年以降からこれまでの間に公的機関から受けた調達課題に関する相談件数はおよそ1,000件。そのうち約7割が仕様書作成に関する話だった。また、同サービスを利用する担当者にアンケート調査を実施したところ、8割近くの調達業務担当者が「仕様書を簡単に作成できるサービスを期待する」と回答した。
この背景から今回、新たな機能として仕様書作成の支援機能を実装した。本機能は、調達インフォを有料契約する公的機関の担当者は無料で使える。
具体的には、ほかの公的機関の仕様書から自機関の類似案件の仕様書作成に必要な参考情報や検討ポイントについて、生成AIを活用することで抽出できるようになる。本機能を活用することで、従来数日かかることも多いとされる仕様書の作成時間を、案件によっては最大で8割の削減が可能だという。