下関市が地域のスタートアップカルチャーを育み、経済発展を加速させるためのプロジェクトが始まる――。
下関スタートアップアンカーは10月21日、下関市において、地域のスタートアップ企業を支援し、次世代のビジネスリーダーを育成するための革新的な取り組みとして、「Shimonoseki Startup Anchor(下関スタートアップアンカー)」という新たなコミュニティを2025年1月に創設すると発表した。
Shimonoseki Startup Anchorの目的とは
Shimonoseki Startup Anchorは、下関市が地域のスタートアップカルチャーを育み、経済発展を加速させるための初のプロジェクトだ。
同市はこのプロジェクトを通じて、革新的なビジネスモデルの創出を支援し、地域産業の再生を図ることを目指している。同時に、地域外や海外から優れたスタートアップを積極的に呼び込み、スタートアップマインドや最先端の技術を地域に持ち込むことで、地域産業を一層活性化させることも狙う。
1月にキックオフ、3月には東京でのイベントを予定
プレスリリースに記載の、今後の大きな予定は以下の3つだ。
- Shimonoseki Startup Anchorを国内外へ拡め、ネットワークを作っていくためのアンバサダーの方々3名が就任(随時発表)
- 12月中には下関市スタートアップ戦略を策定
- 25年1月には下関市内でのキックオフイベント、3月には東京でもイベントを開催予定
また、下関市では持続可能な地域発展のため、以下の基本的な考え方をもとに独自戦略を策定・展開していくという。
- “25万都市”下関市のオリジナル戦略
大都市とは異なる規模の下関市は、地域の特性を生かした独自のスタートアップ戦略を展開下関市が持つ資産と強みを活用し、地域の特性を最大限に活かした戦略を構築 - スタートアップを通した地域間連携
地域間の連携を強化し、スタートアップ企業が互いに協力し合う環境を整備 - 国内外スタートアップ企業と下関企業とのMeetup
国内外のスタートアップ企業と下関市の企業が交流し、ビジネスチャンスを創出するためのミートアップイベントを開催 - スタートアップカルチャーの醸成
地域全体でスタートアップカルチャー/マインドセットを醸成革新的なビジネスアイデアが生まれる環境を提供
「地域の未来を切り拓く」
プロジェクトの実施にあたり、スタートアップ分野で高い知見と豊富な経験を有するi-NNO株式会社 代表取締役 曽根 圭輔 氏と株式会社StartupMate 代表取締役 大崎 結 氏の両名をアドバイザーとして迎えた。両氏と、下関市産業振興部産業振興課係長 笠目光隆氏のコメントは以下のとおりだ。
曽根圭輔氏「地域経済の発展において重要なマイルストーンとなる可能性」
VUCA時代に突入し、プロダクトライフサイクルが短縮し、産業が劇的に変化する中で、優秀な人材の流出や人口減少といった課題に直面しています。こうした状況下で、下関市が創造する『スタートアップコミュニティ』は、地域経済の発展において重要なマイルストーンとなる可能性を秘めています。
現在の日本では、リスクマネーの投下によりスタートアップ市場が8000億円から10兆円規模へと10倍以上の成長が期待されています。この流れの中で、下関市は大都市とは一線を画すスタートアップ戦略を展開し、下関市オリジナルのアプローチによって地域間連携を強化し、国内外のスタートアップ企業との交流を促進します。これにより、革新的なビジネスアイデアが生まれる環境を創造していきます。
大崎結氏「多層的なエコシステムの構築を目指す」
地域経済の活性化や地域課題の解決のためにもスタートアップは重要とされる中で、下関市では地域の産業や社会状況に即したオリジナリティ溢れるスタートアップ戦略を策定し、柔軟かつ効果的に展開していきます。
首都圏や海外の大学や企業、VCのほか、地域の行政や大学、オープンイノベーションを通じた企業間の連携、地域間を融合させることができるプレイヤーの方々との連携を積極的に行うことで、幅広いコミュニティ形成へつなげ、多層的なエコシステムの構築を目指します。
笠目光隆氏「全国および国際的な競争力を高め、地域の未来を切り拓く」
「Shimonoseki Startup Anchor」を通じて、国内外のスタートアップ企業と下関市の企業が交流するミートアップイベント等を開催し、相互に協力し合える環境を整備することで新たなビジネスチャンスを創出すると共に地域産業の活性化を目指します。
さらに、アントレプレナーシップマインドを持つ人材を育成し、地域全体でスタートアップカルチャーを醸成することで、持続可能な経済成長を実現します。
これにより、下関市は革新的なアイデアと技術が集積する魅力的な拠点として、全国および国際的な競争力を高め、地域の未来を切り拓いてまいります。