山梨県北杜市は奥秩父山域の主脈のひとつで、甲武信ユネスコエコパークエリアにある「瑞牆山(みずがきやま)」にて登山道整備イベント「Trail Maintenance in HOKUTO」を11月16日(土)に開催すると発表した。このイベントは、全国的に問題となっている登山道や遊歩道での浸食や荒廃に対し、「近自然工法」を実践することで、生態系の復元に取り組み、人と自然の共生を図ることを目的としている。
このイベントは今回で4回目。株式会社ゴールドウインが展開するアウトドアブランド「THE NORTH FACE(ノースフェイス)」との包括連携事業の一環で実施される。
近自然工法は、自然界の構造を施工に取り入れ生態系を復元するもの
Trail Maintenance in HOKUTOで実践される近自然工法とは、近自然工法は、自然界の構造を施工に取り入れ、生態系を復元するものだ。
一般的な土木工事では、歩きやすくすることが第一の目的であり、杭を打ったりロープを渡したりする。一方で近自然工法では、周りの倒木や石、木の根などを使って、自然の構造を再現するように施工する。うまくできると、施工した場所がわからなくなるほど、周りの景観によく馴染むという。そのため、近自然工法を実践するには、自然をよく観察することが大切だそうだ。
北杜市とTHE NORTH FACEの包括連携協定
北杜市とノースフェイスは包括連携協定によって、2020年度からJR小淵沢駅と甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳との登山口を結ぶ「MOUNTAIN TAXI」の運行を開始している。タクシーは、THE NORTH FACEのラッピングや座席シートにゴアテックス素材を使用するなど話題となり、登山者からも好評を得たそうだ。
そのほか、北杜市内には初中級者からトップアスリートまで多くのクライマーが訪れる「奥秩父山塊」があることから、包括連携協定の中では、初心者や障がい者向けのクライミング教室なども企画・実施している。
両者の包括連携協定は、アウトドアを通した地域活性化を目的にて締結された。ゴールドウイン(ノースフェイス)との包括連携協定は自治体としては初だったという。