ポテチとコーラをいっしょに輸送するということを想像しただけで「うおおお、これはすごいな!」となってしまった。
株式会社湖池屋とコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は10月31日、関西から九州に向けた製品輸送において、共同幹線輸送を10月から開始していたことを明かした。幹線輸送とは、大量の荷物を集めた集荷拠点から、ほかのエリアの配達拠点まで大型トラックなどで輸送をすること。会社の垣根を超えた「物流効率の推進」を図る取り組みだ。
トラックの使用台数は33%の削減につながる
本取り組みは、軽量貨物である菓子製品と重量貨物である飲料を混載し、トラックの荷台に生じた空きスペースを有効活用することで、積載率を向上させ、両社の物流効率を推進するものだ。
湖池屋の物流パートナー社が、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの倉庫で飲料製品を積載した後、近接する湖池屋の委託先の倉庫に立ち寄り、荷台の空きスペースに菓子製品を積載し、関西から九州に向けて混載輸送する。
湖池屋は、販売量の増加にともなう商品の安定的な供給と物流の輸送量軽減を目的に2021年7月に熊本県に九州阿蘇工場を開設し、地産地消とトラック輸送の削減に効果をあげていた。しかし、生産拠点の限られる一部商品においては長距離輸送が発生しており、「物流の2024年問題」という背景もあって、長距離輸送においてはトラックの確保に課題があった。
一方、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、製造数量がもともと少ない製品などにおいては、需要により長距離輸送が発生することがあり、トラックの確保に課題があった。また、飲料製品は重量貨物であるため、容積に対し荷台上部には空きスペースが生じることも課題となっていた。
こうした現状から、共同で輸送することにより、容積・重量とも積載率を100%に近づけることを可能にし、各社が関西から九州に輸送手配する場合と比べトラックの使用台数は33%の削減につながる見込みだという。
台数が減り輸送が効率化すれば、トラックドライバーの人手不足の解消になり、CO2の削減にもつながるなど、メリットは数多い。
本件のスキーム
1)コカ・コーラ ボトラーズジャパンの京都府エリアの倉庫で製品を積載した後、湖池屋が委託する京都府・大阪府エリアの倉庫に一時立ち寄り、コカ・コーラ社製品を積んだ空きスペースに湖池屋製品を積載。
2)両社の製品を混載した状態で輸送し、湖池屋の福岡県エリアの倉庫、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの佐賀県エリアの倉庫へ納品。