富山県砺波(となみ)市は現在、市内の郵便局から発送するゆうパックや定形外郵便物等に、市のプロモーション映像を紹介するPRシールの貼付けを利用者に呼びかけている。
PRシールには二次元バーコードがあり、バーコードを読み取ると、2歳の男の子「おーたくん」の目線から砺波の暮らしを描いた「となみシティプロモーション映像『ときめきが咲き誇るまち』」が見られる。実際に砺波で生まれ、砺波で暮らす「おーたくん」の純粋な感情を切り取るとともに、色鮮やかなチューリップや大迫力の行燈のぶつかり合い、雪化粧した峡谷の美しさなど、1年間かけて撮影した砺波の魅力や利便性を5分にまとめている。
1年をとおしてその魅力を映像におさめようとしたプロジェクト
富山県砺波市には、“日本の原風景”といわれる「散居村」が広がっている。
北陸の春の風物詩「となみチューリップフェア」の開催地としても知られており、砺波米や雪たまねぎ、出荷量日本一を誇るチューリップ球根や種もみなどが大切に育てられている。のどかな田園風景の中には、田畑だけでなく、国内トップシェアの工業製品を作り出す最新鋭工場や、伝統産業、大型商業施設などが立地しているのも特長だ。
民間経済誌のランキングでも常に全国上位にランクインする砺波の豊かさ、暮らしやすさを全国に発信しようと、新たなシティプロモーション動画の制作を決意。1年をとおしてその魅力を映像におさめようとプロジェクトがスタートした。
今回の主役を務めたのは、実際に砺波に住む2歳の男の子“おーたくん”。日常に特別な事などほとんどない2歳児が、砺波で過ごす毎日。その純粋な感情を表現できればと思い、カメラマンであるパパは動画を撮影し始めた。
郵便局からの申し出によって実現したPRシール
この映像は、新市誕生20周年を祝う式典で放映し、それを祝うテレビCMにも活用された。市内の駅や観光協会、ショッピングモールなどでも放映している。市内で開催されるイベントはもちろん、三大都市圏で開催される移住定住イベントでも流した。
次第に全国にも届けたい想いがより強くなった。しかし、予算は限られている。
「郵便物に貼ってもらえるよう、声をお掛けできますよ」
市と包括連携協定を結ぶ日本郵便株式会社から申し出があった。市内郵便局の窓口にシールを配置し、郵便物やゆうパック等に貼ってもらえるよう、郵便局利用者に声を掛けてくれるそうだ。昨今、お歳暮やお中元のギフトシーズンだけでなく、インターネット注文やフリマサイト等、日常的に郵便局のサービスを使って荷物を届ける人は多い。砺波から発送される荷物に、動画につながる二次元バーコードをつけたPRシールを貼らせてもらうことで全国展開を図ることにした。
砺波から届く郵送物があれば、PRシールが貼り付けていないか欠かさずチェックしたい。ちなみに筆者には砺波市に縁のある人が残念ながらいないので直接見られなさそうで残念だ……。この取り組み、ほかの自治体でも同様の取り組みができそうなので、郵送物による人と人のつながりに地域プロモーションを混ぜ込むと良い効果が生まれていきそうだ。