長野県塩尻市とセイコーエプソン株式会社が11月22日に包括連携協定を締結した。これは、塩尻市の「第六次塩尻市総合計画(しおじり未来投資戦略)」が掲げる都市像「多彩な暮らし、叶えるまち。-田園都市しおじり-」を実現に近づける狙いがある。
塩尻市は自動運転やGIGAスクールなどにも先行して取り組む
塩尻市は、令和6年度を始期とする「第六次塩尻市総合計画(しおじり未来投資戦略)」を策定し、市内外でつながりを強化しながら共創を促進し、市民の生活の質や幸福感の向上を目指している。人口減少に伴う地域課題が全国的に深刻化する中、塩尻市はいち早く行政や地域の情報化を推進し、住民サービスの向上に努めるだけではなく、塩尻市デジタル・トランスフォーメーション戦略にもとづき、「行政DX」と「地域DX」の両輪で積極的に取り組んできた。
最近では、自動運転技術の導入等やGIGAスクールにおけるICT支援員の配置など、先進的な取り組みを展開している。
一方でエプソンは、持続可能で心豊かな社会を実現するための共創を推進している。この共創の一環として、2023年6月から塩尻市の地域DX拠点「core塩尻」のパートナー企業となり、地域課題解決に向けた共創活動に取り組んでいる。
今回の包括連携協定により、塩尻市および地域事業者とさらに連携を深め、プリンティング、プロジェクション、センシングなど、エプソンが培ってきた技術についてオープンイノベーションを通じて広く活用し、地域が抱える課題解決に取り組むという。
教育から観光、循環資源、行政業務の効率化などの取り組み内容
具体的な取り組みは以下のとおり。発表内容をそのまま転記する。
一人ひとりの学びに寄り添う教育の実現
教育の在り方が多様化する中、ICT機器やクラウドサービスの利用を通じ、都市部や中山間地域など、どこで暮らしていても子ども一人ひとりに合った質の高い教育を提供します。国内のみならず世界を意識し、エプソン社員とのグローバルな交流などの体験を通して人材育成に貢献します。また、先生の業務負荷を軽減し、子どもと向き合う時間を増やすことで、先生の働き甲斐が向上することを目指します。
観光・交流人口とのつながり強化によるまちの賑わいの創出
木曽漆器やワイン、奈良井宿など塩尻ならではの観光資源にエプソンの技術を組み合わせることで、塩尻の魅力を再発見・発信し、その認知度を高めることで多くの人々が市内に集まる機会を創出します。塩尻での新しい体験を通じて、交流人口が市とつながり続けることでまちに賑わいをもたらし、何度も訪れたくなるまちづくりを目指します。
地域のゼロカーボンや資源循環に向けた取り組み
ゼロカーボンや資源循環に向けた社会課題を地域全体で解決していくため、地域事業者とともに持続可能なエコシステムの構築を目指します。地域事業者の強みとエプソンの持つドライファイバーテクノロジー、省エネなどの技術やノウハウを活かして、地域全体のエネルギー使用量・廃棄物量の削減に取り組みます。
行政業務の効率化・市民サービスの質向上に向けた取り組み
ICT技術を活用し、住民の利便性を高め、行政手続きをよりスムーズに行える環境整備を目指します。塩尻市庁内の業務効率化を進めることで、人的リソースを市民サービスの向上に充て、デジタルとアナログの良さを融合させた最適なサービス提供を目指します。「デジタルデバイド」を解消し、すべての市民が、公平に恩恵を受けられる環境づくりに貢献します。
住み続けたいと思える魅力あるまちづくりに向けた取り組み
地域とともに歩む存在として、市民の皆さまにエプソンの技術を広く知っていただき、地域への誇りや愛着を育むことに貢献します。さらなる活用が期待できる地域資源やエプソンの多彩な技術・商品群の可能性を引き出し、それらを活用したい方々と協力して、地域活性化に向けた新たなサービスや交流の場を創出します。地域の魅力を高め、市民が「ここに住み続けたい」と思えるまちづくりを目指します。