「本の貸し出し期間は3年」宮崎県西都市唯一の高校に「18歳の図書館」が開館、著名人らが250冊を選出 大学のない地方自治体の取り組み

西都市
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宮崎県西都市は11月27日、西都市唯一の高校・宮崎県立妻高等学校に本を通じて若者を応援する「18歳の図書館」を開館したことを発表した。本の貸し出し期間は3年。大学生だと就活前で将来の岐路となる20歳までを返却期間とした、日本一(※)貸出期間が長い図書館だという。
※2024年11月現在 KOKOKARA調べ

貸し出すのは「18歳に、3年後もう一度読んでほしい本」。西都市出身者であるオカリナさん、米良美一さんをはじめ、さまざまな業界で活躍する宮田愛萌さんなどの著名人、そして西都市内で活躍する大人たち、総勢79名の方々が、 総数250冊の本を選んだ。

目次

3年後の自分宛に読書感想文を送る

 妻高校は、背表紙のタイトルを手がかりに自分の一冊を選ぶ。

借りるときには、3年後の自分宛に読書感想文を送るルールが設けられている。感想文の半分には今の気持ちを書いて、残りの半分は3年後の自分のために空欄にしておく。そして3年後、20歳のころに18歳の自分から感想文が届く。借りた本と一緒に空欄を埋めた読書感想文を提出してもらうのだ。

大学がないから若者が地元を離れる

西都市は大学のない地方自治体が抱える「高校卒業後に多くの若者が、地元を離れていくこと」という課題に着目した。自治体にとって課題ではあるが、若者にとっては外の世界を知り、自分の可能性を広げたり、見つけたりできる大きなチャンスととらえたのだ。

図書館での貸出期間を3年にしたのは、地元を離れる18歳から、再び西都市に帰省するタイミングでもある「20歳を祝う会」までの期間に合わせたことが理由だ。図書館という設備を、市と若者の接点にしたのだ。「直接的に呼び戻すのではなく、取り組みを通して地元を離れても応援し続けることで、就職・転職・起業・移住など何かを始めるタイミングで西都市を思い出してもらうことを目指しています」とプレスリリースで述べられている。

西都市は共通の課題をもつほかの地域にも同プロジェクトを開放し、共有・展開していきたいと考えているそうだ。興味を持った方は問い合わせてほしいと述べている。

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