株式会社カインズは12月16日、京都府亀岡市と包括連携協定を締結したと発表した。この協定では、亀岡市とカインズが同市におけるさまざまな地域課題に対して連携して取り組むことを目的としている。環境先進都市を目指す亀岡市とカインズの両者が持つ資源を有効に活用し、環境領域はもとより幅広い領域で相互連携と共創活動を推進することで、地域の課題やニーズに迅速かつ的確に対応し、市民サービスの向上と地域活性化の実現に資することを目指すという。
カインズは、2021年10月に策定した地域共生を志向する「くみまち構想」の実現に向けて、日本の地域やくらしが抱えるさまざまな課題やニーズに向き合い取り組みを進めている。亀岡市においては、2021年12月8日にグランドオープンした「カインズ 亀岡店」(亀岡市大井町)があり、オープンに先駆けて同年12月3日に「かめおか未来づくり環境パートナーシップ協定」を締結するなど、環境を中心とした領域で亀岡市と連携していた。
カインズのくみまち構想とは、それぞれの店舗がそれぞれの地域の方のくらしに寄り添いながら事業活動する同社ならではの構想だ。店舗やそこで働くメンバー(従業員)がハブとなり、それぞれの地域における困りごとや関心、ニーズに丁寧に耳を傾け、くらしに携わるさまざまなステークホルダーと協働/共創していく。人々が自立し、共に楽しみ、助け合える、“一人ひとりが主役になれる「まち」(≒地域社会)”の実現を目指した取り組みだ。
連携協定事項
- 世界に誇れる環境先進都市の推進に関すること
- 防災・災害対応に関すること
- 子育て支援、子ども・青少年育成・教育支援に関すること
- 亀岡市のシティプロモーションに関すること
- 産業・経済の振興、地域雇用の創出に関すること
- 農業の振興、地産地消の促進に関すること
- 犬と暮らしやすいまちづくりに関すること
- その他市民サービスの向上と地域の活性化に関すること
カインズ 亀岡店で
カインズ亀岡店では、同市のビジョンにもとづきともに環境保全を推進するため、脱プラスチック・資源循環・街美化・カーボンゼロを推進している。これまでに取り組んできた主な実施内容は以下のとおりだ。
環境に配慮したサービスや商品、設備の導入
マイバッグの推進やラベルレス商品の販売、マイボトル給水スポットの設置による脱プラスチック推進のほか、店舗屋根への太陽光パネルの設置によるカーボンゼロ推進など、地域の方とともに環境先進都市・亀岡の未来を創造している。また、カインズと亀岡市が共創する環境活動内容を展示するコーナーを店頭に設けている。
カインズメンバー(従業員)によるクリーンアップ活動
毎月8日頃に店舗周辺地域のクリーンアップDAYを設定し、店舗メンバーが地域の清掃に取り組むなど、亀岡市の街美化活動に励んでいる。また、亀岡市では毎年3月の第1日曜日を「保津川の日」と定め、保津川周辺の清掃活動を実施しており、カインズは2022年から毎年参加するなど、地域で開催される清掃活動にも積極的に協力していた。
店舗での資源回収
新聞紙、雑誌、段ボール、古着、ペットボトル、アルミ缶の回収専用ボックスを設置して、回収量に応じて、カインズでのお買い物に使えるカインズポイントがもらえるサービスを提供中。亀岡市と連携して不用になった園芸用土の無料回収サービスも実施し、園芸用土メーカーにて再生処理するとともに循環型園芸用土の商品を共同開発。この商品は店舗で販売している。なお、この園芸用土の水平リサイクルシステムは2024年、環境省主催の「第12回グッドライフアワード」の「実行委員特別賞 地球と人への想いやり賞」を受賞した。
廃材を使ったワークショップの開催
2023年からカインズ 亀岡店で、商品が納品される際に使われている梱包資材を、新たな価値を加え大切な資源として生まれ変わらせるワークショップ「アップサイクル工房」を開催。凧やブックカバーをつくるなど、カインズメンバーの創意工夫で資源の有効活用に取り組んでいるそうだ。
また、2023年3月には、亀岡市内で開催された保津川周辺の清掃活動イベント「保津川の日」でも、凧をつくる「アップサイクル工房」を開催した。さらに、2023年6月には、亀岡市と京都府立亀岡高校と連携して、アップサイクルをテーマにした授業を開催。授業内で高校生が廃材を用いて制作した一部の作品は、亀岡店で実施する「アップサイクル工房」のメニューとしても採用された。
一見不用だと思われる物でも大切な資源として活用する体験の提供を通して、環境保全への意識啓発に取り組んでいる。