民間企業各社がもつデータを大規模災害発生時に取りまとめて提供するサービスが登場

リアルタイム災害情報提供システム
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一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(以下、AIGID)は7月12日、大規模災害時に最短で24時間以内に各種民間データを公開する社会実験を開始すると発表した。

AIGIDは「産官学の関係機関が連携して、社会インフラに関わる情報の収集・配信・利活用等の流通環境の整備」をミッションに掲げる一般社団法人だ。代表理事は東京大学で教授を務める関本 義秀氏。

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災害時に役立つデータを有効活用するために。

AIGIDが発表したプレスリリースによれば、災害時に役立つデータを持っている民間企業が多いにもかかわらず、それらのデータを有効活用する仕組みはまだ整っていないという。

そこで同社らは「民間事業者によるリアルタイム災害情報提供研究会」を立ち上げ、大規模災害時に被害状況を瞬時に把握でき、持続可能なサービスとして提供する仕組みを議論・設計してきた。

その結果サービスをスタートさせたのが「リアルタイム災害情報提供システム」だ。

リアルタイム災害情報提供システム

リアルタイム災害情報提供システムは、産官学民が連携して評価・検証用プラットフォーム。大規模な自然災害等が発生した場合に 、災害時のデータ提供に関する協定をAIGIDと結んだ民間企業から提供されたリアルタイム災害情報を、被害状況の迅速な把握や二次被害の抑制など、災害支援を目的として掲載・公開している情報提供サービスだ。

当該サイトによれば、地図化された情報は、災害ごとに蓄積し、過去の被災状況も閲覧できるため、今後の防災対策としても活用可能だという。

過去の災害時における提供データの閲覧が可能で、たとえば2024年に発生した能登半島地震における被害状況に関する数値データや被害発生時に上空から撮影された写真を、地図データと照らし合わせながら確認できる。詳しくは以下のリンク先から確認してほしい。

リアルタイム災害情報提供システム これまでの災害情報提供ページ

大規模災害時に収集・提供するデータ

プレスリリースによれば、大規模災害時にデータを提供する企業と収集・提供されるデータは以下のとおりだ。記載の企業や内容はプレスリリース発表の2024年7月12日時点のもの。提供するデータは順次追加を予定。

  • 株式会社ドコモ・インサイトマーケティング
    人口統計情報
  • 株式会社社会システム総合研究所
    交差点車両通行量
  • パイオニア株式会社
    車両通行実績
  • 三井住友海上保険株式会社
    ドライブレコーダ画像
  • 朝日航洋株式会社
    航空斜め写真
  • アジア航測株式会社
    航空斜め写真
  • 国際航業株式会社
    航空斜め写真
  • 株式会社パスコ
    航空斜め写真

データが提供されるのは発災後最短で1時間程度から。ただし、各社のデータ提供については、各社に対して義務付けられているものではない。また、航空斜め写真は、災害ごとに民間企業のデータ収集状況が変わるため、提供の有無・タイミングが異なるという。

データ収集及び配信のイメージ

今回の社会事件では、2024年7月12日以降に県域範囲で被害が及ぶような災害が発生した際に各社によるデータ収集と提供、そしてリアルタイム災害情報提供システムによるデータ開示を実施する。

リアルタイム災害情報提供システム

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