ネットワークを通じて人間の感覚や動作を拡張する人間拡張技術によって社会課題の解決を目指す「人間拡張コンソーシアム」(以下、本コンソーシアム)が、企業8社と学術専門家4人で発足し、活動を開始した。
人間拡張について耳馴染みのない方も少なくないと思うので、プレスリリースに記載の内容をもとに紹介していく。
人間拡張とは
人間拡張技術は、教育格差や労働人口の減少、伝統文化の衰退等の社会課題を解決する手段として、建設、観光、教育、製造、医療など様々な業界で注目を集めている。
たとえば、身体動作の拡張で、スポーツや楽器演奏の指導効果を高められる可能性がある。指導者と生徒がネットワークに接続されたウェアラブルデバイスを通じて身体動作を共有することで、生徒は指導者の筋肉や関節の動きを自身の身体で直接体験し、学べるようになる。これにより指導者が近くにいない地域の生徒が、効果の高い指導を受けられるようになれば、教育格差の解消につながると考えられている。
人間拡張コンソーシアムとは
この度設立され開始した人間拡張コンソーシアムは、人間拡張のエコシステムの形成と拡大と、それらを通じた人間拡張技術による社会課題の解決に、さまざまな産業分野の企業が業界横断、産官学連携で取り組むことを目的としている。実は内閣府主導の国家プロジェクト 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」の一環で発足したものだ。
参加する企業と学術専門家が連携し、人間拡張技術の構成要素であるアプリケーション、デバイス、プラットフォームの実証・接続性の検証や、国際標準化、シンポジウムの開催やホワイトペーパーの発行などによる情報発信といった活動に取り組んでいく。
今後の活動
本コンソーシアムは、複数業種にまたがる国内企業8社と、学術専門家4人で発足したが。今後も引き続き、さまざまな業界の企業や学術専門家から、海外も含め広く会員を募るとともに、関連省庁へも連携を働きかけていく。また、こうした取り組みを通じて、人間拡張に関連する多様なプレーヤーが集い、関係者間のコネクションの構築やデバイス、プラットフォーム、アプリケーションの接続検証・実証、ビジネスパートナーとのマッチングを行う場として機能していく予定だそうだ。