山梨県富士吉田市、富士急行株式会社、富士急バス株式会社、BOLDLY株式会社は、1月31日(金)から2月28日(金)に自動運転EVバス運行の実証実験を実施すると発表した。
本実証は、国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業補助金(自動運転社会実装推進事業)」の採択を受け、少子高齢化や運転士不足、訪日外国人観光客の急増等地域公共交通に関わるさまざまな課題の解決に加え、富士山のオーバーツーリズム対策や脱炭素化といった持続的な富士山の環境保全を図ることを目的としている。
自動運転レベル2で運行
今回の実証実験では、富士吉田市内の公道「富士みち」を中心とした市内を循環するルートを扱う。2024年11月に実施した実証実験では、富士山の麓から五合目を結ぶ自動車道「富士スバルライン」ルートで実施していた。
また今回の実証実験にあわせ、自動運転システムと遠隔監視システムを搭載した新型の自動運転EVバスを導入した。遠隔監視員および乗務員を配置して自動運転レベル2で運行する。これにより、自動運転EVバスの運行に関わる経営面や技術面、社会受容性を検証し、2025年度における自動運転レベル4の社会実装を目指す。
観光施設・商店街・公共施設などが集まる中心エリア
実証実験の場となる富士みち循環ルートは、富士山に向かって一直線にのびる道路で、ルート周辺は「商店街」「富士山駅」「世界遺産構成資産」の3つのエリアに分かれている。
2023年度実証結果から、生活・観光路線としてのニーズを踏まえ、走行距離を約5km拡張させた循環型ルートへ変更し実施する。これにより、市役所や学校等の「生活・公共施設」エリアが加わり、地域住民に対する市内のアクセス向上に繋がるほか、訪日観光客の二次交通手段として地域の回遊性向上や地域経済への波及効果が期待できる。
また、ルート上の宮川橋北詰交差点では、交差点信号柱に設置した3Dセンサー等で構成される路側機により検知した歩行者や自転車の通行状況を車両側に伝達する「路車協調システム」と、今回初となる信号機灯色の変化の情報を予め車両側へ伝達する「信号協調システム」の実証実験を実施し、自動運転の走行安全性向上について効果検証も進めるという。