株式会社ハタケホットケ(長野県塩尻市)が開発した自動除草ロボット「ミズニゴール」の2025年モデルが登場した。同モデルは、GNSS自動運転技術を搭載し、より精密かつ稲に優しい設計となっている。2026年の量産化に向けた最終実証プロジェクトを開始し、全国の農家を対象に試験販売も行われる。
長野発 農家の声から生まれた画期的なロボット
「ミズニゴール」は、農業従事者の重労働を軽減し、無農薬農業の普及を目指して開発された。このロボットは、水田内を自動で移動し、水を濁らせて雑草の光合成を妨げる仕組みを採用している。農薬を使わずに除草作業を行うため、環境負荷を軽減し、有機農法にも対応可能だ。
開発の背景には、農業従事者の高齢化や後継者不足、小規模農家の経営課題がある。ハタケホットケの代表・日吉有為氏は、自らの農業経験を活かし、地域農家のヒアリングや実験を重ねてこの製品を完成させた。
2025年モデルの特徴
最新版では、以下の改良が施されている。
- GNSSによる自動運転:田んぼの座標データを登録し、自動で正確に走行可能。
- 軽量化と耐久性向上:稲への負担を軽減する車輪素材を採用。
- 高い作業効率:10時間の稼働で3haをカバーし、追加バッテリー使用で最大15haに対応。
さらに、初めての試験販売が実施され、購入希望の農家は補助金を活用して導入できる選択肢が増えている。
実証実験と今後の展開
ハタケホットケは、2022年から実証実験を重ね、2025年には全国100台(2025年モデル50台、2024年モデル50台)の提供を予定している。農林水産省の「みどり認定」を取得し、3月に開催される日本雑草学会での出展も決定している。
また、2026年の量産化を目指し、農家からのフィードバックを活かした改良を続けていく予定だ。
説明会と利用申し込み
2025年モデルに関する説明会が以下の日程でオンライン開催される。
- 1月20日(月)10時〜
- 1月24日(金)10時〜
- 1月29日(水)10時〜
- 1月31日(金)10時〜
- 2月1日(土)10時〜
- 2月5日(水)10時〜
参加希望の方はこちらから申し込むことができる。
農業の未来を切り拓くロボット技術
「ミズニゴール」は、農業の現場に寄り添った技術革新の象徴である。環境に優しく、効率的な農業を実現するこのロボットは、日本の農業課題の解決に大きな一歩を踏み出した。農業のスマート化と持続可能な未来を目指すハタケホットケの取り組みに注目したい。