宮城県南三陸町にある「さとうみ羊牧場株式会社」が、日本の羊産業に新たな可能性をもたらす取り組みを開始した。同牧場は、国内自給率がわずか1%未満という羊肉市場において、持続可能な生産モデルの確立を目指している。その一環として、繁殖力の高いフィンシープを導入し、羊産業の活性化に挑戦する。
「南三陸わかめ羊」が育つ環境
さとうみ羊牧場は、東日本大震災の復興支援活動から生まれた牧場だ。南三陸町の豊かな自然環境と地域資源を活かし、循環型農業に取り組んでいる。特筆すべきは、牧場で育てられる「南三陸わかめ羊」だ。三陸の高級わかめの未利用部分を発酵させた特製飼料で育ち、羊特有のクセが少なく、ジューシーで柔らかな肉質を持つ。このブランド羊は、多くの食通から高い評価を受けている。
また、同牧場では海苔製造の際に発生する細かい海苔や、ビール・ワイン粕を活用した新たな飼料の開発にも取り組み、地域資源を最大限に活かした持続可能な羊肉生産を推進している。
日本の羊産業に必要な「多産羊」
現在、日本の羊肉市場はその99%以上を輸入に依存している。国内での生産を増やすための課題のひとつが、羊の産仔率の低さだ。一般的なサフォーク種の産仔率は1.5前後とされており、経済的な収益性を確保するには長い年月が必要とされる。
そこで、さとうみ羊牧場はニュージーランドから「フィンシープ」を導入することを決定した。フィンシープは1回の出産で2〜3頭、多い場合には4〜5頭の仔羊を産む高い繁殖力を誇る。この多産羊を導入することで、安定した生産体制を確立し、日本の羊肉市場の発展に寄与することを目指している。
「さとうみ羊牧場ファンド」募集開始
この挑戦を支えるため、ミュージックセキュリティーズ株式会社が運営する事業投資型クラウドファンディング「セキュリテ」において、「日本の羊産業を変える さとうみ羊牧場ファンド」の募集が開始された。本ファンドの資金は、フィンシープの導入に充てられる。
ファンド詳細
- 募集期間：2025年1月31日〜2025年4月30日
- 募集金額：1,200万円
- 特典：
- 一口につき、さとうみファームのECサイトで利用可能なクーポン（総額8,000円分）を提供。
- クーポンは会計期間2年目から5年目までの4回に分けて配布。
- 利用期限は発行から1年間。
ファンドの詳細・申し込みは以下のURLから可能だ。 ファンド詳細ページ
持続可能な未来へ
フィンシープの導入は、単なる牧場の拡大ではなく、地域の委託農家の育成や、新たな品種改良を通じた持続可能な羊肉生産を目指すものだ。この一歩が、日本の羊産業の未来を切り開くきっかけとなることを期待したい。
さとうみ羊牧場の挑戦に共感し、未来の日本の羊産業を支えたいと考える方は、ぜひファンドへの参加を検討してみてほしい。
