株式会社エクサウィザーズは7月19日、広島県が同社の自治体向けChatGPTサービス「exaBase 生成AI for 自治体」を全職員へ導入したことを発表した。
県庁におけるさまざまな業務で生成AIを活用することで、組織全体の業務効率化および生産性を向上させることを目指す。
目次
広島県は文書作成や要約などの業務で活用予定
広島県では「exaBase 生成AI for 自治体」を文書作成や要約などの業務で活用する予定だ。また、提供するエクサウィザーズは利用ユーザーへの生成AIの基礎講習の実施や利用促進サポートを提供していく。
導入する「exaBase 生成AI for 自治体」の特徴は大きくわけて3つある。
高いセキュリティとコンプライアンスへの対応
- 生成AIのデータ処理を国内で完結
- 会話内容の学習データとして利用しないオプトアウト設定
- 禁止ワード登録、機密情報ブロック機能により、情報の漏えいを防止
独自の支援機能による生産性向上
- 組織内の規程や各種資料(PowerPoint、Word、PDF、CSV、txt)とのデータ連携機能により、高精度な回答の生成
- AI専門家が作成した、質の高い回答を引き出すプロンプト(指示文)のテンプレートを標準実装
低コストかつコントロール可能
- 自治体向けには同時接続数による固定料金制で提供
- ユーザーやグループごとの利用を可視化
- 利用の上限を設定可能
導入の決め手となるポイントはいくつかあると思われるが、行政専用ネットワークであるLGWAN環境で使える点、データ処理を国内で完結する点などは機密情報の多い行政においては重要なポイントだと考えられる。また、同サービスは同時アクセス数あたりの定額制を敷いており、利用料金も見えやすいのも強みだ。
時間短縮などの「効果があった」と回答
広島県では2022年11月に「広島県DX加速プラン」を策定している。県内の民間事業者がDXに着手して試行錯誤できる状態に移行できるよう後押しするとともに、県自らもDXに積極的に取り組む内容だ。
2023年7月から9月にかけて実施した生成AIの利活用に向けた施策では、利用した職員のうち約40%が時間短縮などの「効果があった」と回答。半数以上の所属が日常的に生成AIを利用し、多くの職員が引き続きの利用を希望していたという結果を得られていた。
こうした結果をふまえ、日々の業務を実施するにあたり、生産性の向上や効率化に取り組むための支援ツールとして、広島県は生成AIの導入に至ったという。