泉大津市は、株式会社グラファーと連携し、生成AIを活用した行政業務の効率化に関する実証実験を実施した。
その結果、年間約1.8万時間(1人あたり年間約50時間)の業務時間削減、約3,800万円(1人あたり年間約108万円)の削減効果が見込めることが明らかになった。
目次
行政業務における生成AI導入の目的
泉大津市では、生成AIの導入を通じて以下の目的を掲げ、業務改革を推進している。
- 行政業務の効率化を図り、市民サービスの向上を実現
- ノンコア業務(職員以外による実施が可能な業務)の削減
- 職員の負担軽減とコスト削減による財政健全化
従来の働き方からの転換を図り、職員がコア業務に集中できる環境整備を目指している。
実証実験の概要
実施期間
2024年9月~2025年3月
実証内容
- 職員向け生成AI活用研修の実施
- グラファーの講師による研修を実施し、生成AIの活用方法をレクチャー。
- 日常業務での生成AI活用
- グラファーのAIサービス「Graffer AI Studio」を活用し、職員が実務に適用。
- 業務削減効果の検証
- アンケート調査を通じて、業務時間削減の実態を測定。
主な実証実験結果
生成AIの活用状況
- 約80%の職員が日常業務で生成AIを活用
- 利用者の約83%が業務効率化の効果を実感
活用業務の上位ランキング
管理職
- 誤字チェック
- 事例検索・調査
- 挨拶文作成
非管理職
- メール文作成
- 誤字チェック
- 議事録・メモ要約
生成AIを用いることで、特に文書作成や情報検索の時間が大幅に短縮されたことが分かった。
生成AI導入による業務効率化の試算
実証実験期間(7カ月間)での効果
- 70人の職員の業務時間削減:合計2,102時間
- 経費削減効果:約470万円
本庁舎の全正職員(約350人)が導入した場合の年間試算
- 業務時間削減:1.8万時間
- 削減効果額:約3,800万円
生成AI導入により、行政業務の大幅なコスト削減が可能であることが示された。
今後の展開と行政業務の未来
実証実験の結果、98%の職員が生成AIの継続活用を希望している。
泉大津市では、今後も生成AIの活用範囲を拡大し、さらなる業務効率化を推進。ノンコア業務の削減を進め、職員がより市民サービスに注力できる体制を構築していく。
生成AIは、行政の働き方を大きく変革する可能性を秘めており、他の自治体にも波及することが期待される。