長野県川上村と空き家活用株式会社(以下アキカツ)は、村内の空き家問題に包括的に取り組むための「川上村内の空き家等対策に関する事業連携協定」を締結 した。この協定により、アキカツがこれまで全国の自治体と連携し培ってきたノウハウを活用し、空き家の発生抑制や利活用の促進、移住・定住の推進に向けた取り組みを本格化させる。
協定の概要と目的
近年、全国的な人口減少や少子高齢化の影響を受け、各地で空き家問題が深刻化 している。川上村においても、現在約120件の空き家が確認されており、年々増加 している状況だ。
この協定により、空き家の実態調査、所有者への相談対応、適切な利活用の促進 など、包括的な対策を進めることが可能になる。加えて、役場職員の業務効率化も視野に入れ、官・民・地域の連携を強化しながら、持続可能なまちづくりを推進する方針だ。
川上村 村長 由井明彦氏のコメント
「空き家問題は、人口減少やライフスタイルの変化に伴い全国的な課題となっています。川上村においても、近年空き家の増加が目立ち、村の課題として早急な対応が求められています。
空き家の適切な管理や利活用を進めることにより、移住・定住の促進や地域活性化につなげることが重要 です。また、放置された空き家が犯罪や環境悪化の原因とならないよう、専門家の知見を活かしながら、具体的な対策を進めていきたいと考えています。」
川上村の特徴と空き家問題の背景
川上村は、長野県の東南端に位置し、標高1,100mの高原地帯 に広がる村である。農業が主産業で、特に夏秋レタスの出荷量は全国一を誇る。また、千曲川(信濃川)の源流を有し、豊かな自然環境に恵まれている。
一方で、都市部への人口流出や高齢化により空き家が増加 しており、その管理や活用が大きな課題となっている。
協定による具体的な取り組み
今回の協定締結を受け、アキカツと川上村は以下の取り組みを進める。
1. 空き家の実態把握と所有者への相談対応
- 村内の空き家の分布や状態を調査し、活用可能な空き家のリストアップ を実施
- 所有者と連携し、利活用に向けた意向調査を行い、適切なアドバイスを提供
2. 空き家の利活用促進と移住・定住支援
- 移住希望者向けにリノベーション可能な物件を紹介
- 住宅だけでなく、テレワーク施設や観光資源としての活用を検討
- 事業者との連携による空き家の活用モデルの創出
3. 不法侵入や防犯対策の強化
- 防犯カメラの設置や見守り活動 を通じて、空き家の安全対策を強化
- 近隣住民との連携を強め、地域ぐるみで管理体制を整備
川上村の未来に向けた展望
今回の協定締結により、川上村は「元気で優しい明るい村づくり」を推進し、空き家問題を地域活性化の契機へと転換することを目指す。
今後は、全国の成功事例を参考にしながら、村独自の空き家活用モデルを確立し、移住者の受け入れ促進や地域経済の活性化につなげていく方針 だ。
この取り組みが、全国の自治体にとっても参考となるような先進事例となることが期待される。