全国の企業における社長の高齢化が、かつてない水準に達している。株式会社帝国データバンクが発表した2024年版の「社長年齢」分析によると、全国の社長の平均年齢は60.7歳。前年から0.2歳上昇し、統計開始以降34年連続で過去最高を更新した。
経営者交代の動きは鈍化しており、2024年の社長交代率は3.75%。4年連続で低下し、企業トップの代替わりが進まない実情が浮き彫りになった。

経営の現場に忍び寄る「2025年問題」
平均年齢の上昇とともに深刻化しているのが、「社長の高齢リスク」だ。団塊の世代が後期高齢者に突入する2025年を前に、経営者の病気や死亡による事業停止・倒産が増加している。2024年にはこの要因による倒産が316件に達し、過去最多を記録した。
後継者が決まらない中小企業は少なくない。2019年に中小企業庁が発表した試算では、2025年までに70歳を超える中小企業の経営者が約245万人、そのうち半数以上の127万人が後継者未定とされている。
若手経営者はわずか3% 年代別にみる社長構成
社長の年齢構成をみると、「50歳以上」が81.7%を占め、特に60歳以上の構成比は51.7%と過半数に達した。一方、30代以下の社長はわずか3.1%にとどまっている。
スタートアップの分野では若手経営者の活躍が目立つが、全国的な傾向としては経営者の若返りは進んでいないのが実態だ。

地域別でみる「東高西低」の傾向
都道府県別に社長の平均年齢をみると、最も高かったのは秋田県と岩手県で62.6歳。続く高知県や青森県も全国平均を大きく上回っている。特に東北地方では6県すべてが全国平均を上回り、顕著な高齢化が進行している。
一方で最も若かったのは三重県で59.6歳。愛知県や沖縄県も60歳未満で、地域ごとの年齢差が「東高西低」として表れている。

経営者交代の実態 「同族継承」による若返りも
社長交代の実態を見ると、「同族継承」と「内部昇格」がそれぞれ約4割を占めており、最も多い就任ルートとなっている。特に同族継承では交代前後の年齢差が23.5歳にのぼり、世代交代による若返りが進んでいる。
とはいえ、交代自体が進んでいないため、企業全体の平均年齢は高止まりしているのが実情だ。

地域経済の持続性を支えるために
企業の多くは地域経済の担い手でもある。中でも中小企業は雇用や産業の基盤として重要な役割を果たしている。だが、経営者の高齢化と事業承継の停滞が続けば、地域経済全体の持続可能性が脅かされることになる。
今後求められるのは、地域の産業支援機関や自治体、金融機関を含む「産官学金」が連携し、後継者育成や事業承継の支援体制を強化していくことだ。経営者個人だけに課題を委ねず、地域ぐるみで次世代へのバトンをどうつなぐかが問われている。