遠州鉄道株式会社(本社:浜松市中央区)は、2021年に営業を終了した「ホテル九重」の跡地に、宿泊施設を中心とした新たな複合施設の基本構想を発表した。新施設ではホテルをはじめ、レストランやSPA、商業施設などが連動し、舘山寺エリアおよび浜名湖全体の観光活性化を図るとしている。
今回の再開発は、急速に変化する観光ニーズや、インバウンド需要の回復を背景に、地域資源を最大限に活用した観光拠点づくりを目指すものだ。開業は2029年春を予定しており、今後詳細な設計・計画に着手していく。
基本構想の全貌――地域と共創する複合施設
再開発される新施設は、「ホテル」「レストラン」「SPA」「商業施設」の4つの機能を柱に、浜名湖ならではの自然環境と地域資源を活かした複合型施設として整備される予定だ。
ホテル
浜名湖の自然と調和するデザインを採用し、象徴的な建築によって地域の新たな顔となるホテルを目指す。客室数は約50室を想定し、世代を問わず多くの人々に愛される空間を提供する。
レストラン
湖畔の景色を一望できるロケーションで、地元の食材をふんだんに使った料理を提供する。浜名湖ならではの魅力を五感で堪能できる、唯一無二のダイニング体験を創出する。
SPA
浜名湖の絶景を背景に、サウナなどの体験型コンテンツや上質な温泉を融合。心と身体を癒すことに特化したリラクゼーション空間として、観光客だけでなく地域住民にも開かれた施設を目指す。
商業施設
生産者や地域事業者との連携によるオープンモール形式の商業エリアを計画。地元の恵みや特産品を活かした店舗を展開し、新たな価値の創出と地域経済への貢献を両立する。
浜名湖エリアの未来を見据えた拠点づくり
遠鉄グループは今回の再開発にあたり、「地域事業者との共創」および「地域資源の最大活用」をキーワードに掲げている。施設単体としての集客力にとどまらず、地域全体の魅力を底上げする起爆剤となることを意図しており、舘山寺温泉全体の再活性化にも寄与する計画だ。
今後の進捗に関しては、基本設計の策定とともに、順次情報を発信していく方針。浜名湖畔に新たな観光と暮らしの価値をもたらすこのプロジェクトの展開に、今後も注目が集まりそうだ。