株式会社インフォマートは、全国の自治体会計担当者360名を対象とした「自治体の会計業務に関する実態調査2024」の結果を公表した。調査によると、約8割の自治体が請求書や契約書などの帳票を紙で受け取っており、7割以上の自治体では地域事業者が請求書を持参する実態が明らかとなった。
この「紙文化」によって、記入ミスや押印不備による差し戻しが頻発し、全体の40.3%の自治体が「差し戻しが1割以上発生」と回答。さらに、16.7%の自治体では帳票の不備が原因で支払い遅延が発生していることが分かった。
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紙による取引のリスクと負担増が浮き彫りに
特に「契約書」は81.7%、「請求書」は79.7%、「納品書」は79.2%と、いずれも約8割の自治体が紙でのやり取りを行っている。また、納品時に請求書を持参する割合については、70.8%の自治体で1割以上の頻度で持参が行われていることが判明した。

帳票の差し戻しの理由については、「記入ミス・漏れ」(49.4%)、「添付書類の不備」(41.7%)、「押印の不備」(30.3%)が上位を占め、アナログ業務による非効率さが業務負担を増加させている。

電子化の導入自治体では効果を実感
一方、電子データで帳票を受け取っている自治体では、業務効率化の実感が多数報告されている。紙の紛失リスクの低減(37.9%)、書類持参の手間削減(36.2%)、郵送代や印紙代などのコスト削減(33.9%)など、具体的な効果が挙がった。

インフォマートでは、電子請求書のやり取りを可能にする「BtoBプラットフォーム」の導入を支援しており、今後も自治体業務のデジタル化を通じて、地域事業者との効率的な取引環境の整備を推進していく方針だ。