細菌叢で地元の魅力を再発見 松本市の老舗味噌蔵「萬年屋」とサイキンソーが酪酸菌入り味噌の腸内環境への効果を検証

細菌叢で地元の魅力を再発見 松本市の老舗味噌蔵「萬年屋」とサイキンソーが酪酸菌入り味噌の腸内環境への効果を検証
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株式会社サイキンソー(東京都渋谷区)は、創業193年の老舗味噌蔵・株式会社萬年屋(長野県松本市)および松本市と連携し、「酪酸菌入り味噌」を食べ続ける人の腸内環境への影響を調査した。検証の結果、スーパー善玉菌と呼ばれる酪酸産生菌や、女性ホルモン様作用を持つエクオールを生成する菌の割合が高いことが確認された。

この取り組みは、松本市の「ヘルスケアサービス等実用化検証事業助成金」を活用し実施された。

目次

伝統製法「味噌玉造り」で育まれる酪酸菌入り味噌

萬年屋は1832年創業、信州松本の風土と蔵に住みついた常在菌を活かす伝統製法「味噌玉造り」を守り続けている。味噌玉を自然発酵させてから手作業でカビを落とし、糀と塩を加えるこの製法により、酪酸菌が自然に含まれる味噌が完成する。

酪酸菌は、腸のバリア機能の強化やがん細胞の抑制など、健康長寿やアスリートの腸内に多く見られる注目の善玉菌である。

松本市が進める伝統文化継承と健康増進の融合

かつて全国に広く普及していた味噌玉造りだが、現在では継承する味噌蔵は国内に5軒ほど。こうした希少な伝統文化を次世代へ継承すべく、萬年屋とサイキンソーは腸内環境の科学的検証を通じて味噌の魅力を発信する活動を展開している。

松本市は市民の健康や地域産業の振興を目的とした支援制度を設けており、本取り組みは3カ年計画で進められている。

萬年屋の味噌と腸内細菌の関係

検証内容と方法

萬年屋の味噌を日常的に食べている従業員や家族10名を対象に、サイキンソーの腸内フローラ検査を実施。比較対象として、病歴がなく、慢性的な消化器症状のない20〜59歳の健常者2,664名のデータと比較した。

結果1:エクオール産生菌の保有率が高い

味噌に含まれる大豆イソフラボンは、腸内細菌により女性ホルモン様物質「エクオール」に変換される。萬年屋の味噌を食べている人の9割がエクオール産生菌を保有しており、一般的な保有率(約50%)を大きく上回る結果となった。

結果2:酪酸産生菌が多い

萬年屋の味噌に含まれる酪酸菌は、腸内で酪酸を生成し、腸活動の活性化や免疫調整に寄与する。検証対象者の腸内には、健常者と同等以上の酪酸産生菌が確認され、味噌の健康機能が裏付けられた。

今後の展開と「0次予防」の実現へ

2025年度は、日常的に味噌を食べていない人を対象に、萬年屋の味噌摂取による腸内環境の変化を検証する予定。サイキンソーは、こうした科学的知見をもとに地元食品の魅力を伝え、生活の中で自然と健康になれる「0次予防」社会の実現を目指すとしている。

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