大阪経済大学の学生たちが、築100年を超える古民家が残る大阪市城東区・蒲生4丁目(通称:がもよん)を舞台に、地域のにぎわい創出に向けた実地調査と提案活動を行った。プロジェクトには経済学部・臼田利之准教授のゼミ生13名が参加し、地域住民や店舗との交流を重ねながら、現地での課題と可能性を探った。
伝統的な街並みに息づく「がもよんにぎわいプロジェクト」と連携
学生たちが協働したのは、古民家を再生して飲食店などへ改修し、地域活性化を進める「がもよんにぎわいプロジェクト」。2008年から取り組みが始まり、現在では再生古民家店舗は40軒に達する。
今回のゼミ活動では、プロジェクトの一環として「今後誘致すべき店舗の提案」や「来訪者へのアンケート調査」といったテーマに取り組んだ。
ファミリー向けや若者向け店舗の提案も
誘致店舗の提案に取り組んだ班からは、ファミリー層を意識した駄菓子屋やカフェ併設型の飲食店、若者や外国人観光客を対象とした古着屋、着物レンタルショップ、ハンドメイド雑貨店など、地域特性を活かした幅広い案が出された。
また、別の班が実施した来訪者アンケートでは、「猫カフェ」「作業カフェ」「ライブラリー」といった体験型店舗へのニーズや、「スタンプラリー」「謎解きイベント」といった街歩き型企画への関心が寄せられた。
地域と学生の交流が次のアクションへつながる
調査に協力した「がもよんにぎわいプロジェクト」推進スタッフの宇田知令氏は、「QRコードを用いたWebアンケートという形式が来訪者の実態把握に効果的だった」と学生の成果を高く評価。提案内容とアンケート結果にも多くの一致点が見られたとし、今後のプロジェクト運営に活かしていく考えを示した。
学びの原点は「現地での体感」
プロジェクトの締めくくりにあたって、臼田准教授は「街の空気感や人の温かさは、現地に足を運ばなければわからない。学生たちにとって、この経験は社会に出てからも大きな財産になる」と語った。
古民家の再生と学生のアイデアが交差することで、地域と若者が共に未来を形作る。がもよんプロジェクトは、まさに“まちづくりの原点=つながり”を実感する場となっている。